土曜日は登山道を直す講習会がありました。日曜は実際に現場でやってみて・・・ということになりました。
午前中は座学から。今回は粗朶(そだ)の説明や粗朶を使った直し方の例、ほかの山でのいろんな事例などの紹介などがありました。

山の関係者が集まっております。これは始まる前に撮ったのですが、このあとももうちょっと集まりました。
山の草とか花とか虫とか-研修会はじまり

粗朶を使うのは、主に登山道が雨などが流れるようになってしまったのを水の勢いを抑えたり、排水したりするのに使います。水の浸食の効果というのは大きいものなのですね。
これは粗朶の使用云々の前に、水の勢いを抑える方法と設置の例の図でした。
たとえば、水がなにかを乗り越える際には、乗り越えるものに対して90度の角度で進む、ということなどのはなしがありました。でもむつかしいことはおいらにゃわかりません。
山の草とか花とか虫とか-図面1

粗朶というのはこれです。細い枝などをまとめたものを粗朶というのだそうです。
山の草とか花とか虫とか-図面2

日曜に実施する場所の計画図を講師のかたが作ってきてくれていました。
会で手入れするときにもこんな計画図を作るとよいのかな?とも思いましたがちょっとたいへんそうです。
山の草とか花とか虫とか-図面3

午後からは現場入りです。
粗朶はこれ。上の説明では、クリやナラなどとなっていますが、ここは国立公園内なので生きている木を切ってはいけません。また、外から持ち込むと、もともと国立公園内には無かった植物が持ち込まれるおそれもあるので、現地に落ちている倒木の枝などを集めて使うことになります。みんなでわっしょい、集めました。
山の草とか花とか虫とか-枝

次に、現地の地形などを確認してどこからどこへ排水するのが効果的か考えてから溝を掘ります。(これも国立公園内の土をいじくるので、維持管理を頼まれているような場合に、最小限にしないといけません。個人的にはやってはだめです。)
山の草とか花とか虫とか-溝を掘る

深さの確認。
山の草とか花とか虫とか-深さ確認

粗朶を入れます。
粗朶を使ったこういう方法は、過去にはずっとなされていたそうです。
ヘルメットのかたは、現在そういう方法を使って河川や法面の工事をしている職人さんで、粗朶を使った河川の工事などは、海外に教えにいくほどの技術で、日本の伝統技術のようなものなのだそうですよ。ただ溝につっこむのでなくて、細いものから順に、木の根元は上流側に、と木を配りながら収まりよくしていかないといけないのでした。
山の草とか花とか虫とか-そだ設置

なにのセミのぬけがらでしょう?
山の草とか花とか虫とか-セミのぬけがら

できあがり。これは見本として施工しました。
木は一番上がしっかり太いものになっていておさまりよくすれば、ほかの地面を歩くのとかわりありません。
山の草とか花とか虫とか-出来上がり状況

続いて、階段の設置についてもレクチャがありました。
山の草とか花とか虫とか-階段設置

ちいさな沢を渡るじゅくじゅくしたような登山道のところは、粗朶の排水する力を使って、沢の水の流れを妨げないようにすると、水の流れもよいし、道も安定するとのことです。
地下の水を流すのを暗渠といいますが、粗朶を使った暗渠だと、プラスティックのパイプなどを使うよりも流す能力が長持ちするのだそうです。施工がよいと数十年は大丈夫とのことでした。
山の草とか花とか虫とか-沢のところ

そのあと、どろどろした感じのところにもステップを作りました。
このときにはどろどろした感じでしたが、今日の帰りに通ったらもうしっかりした感じになってきていました。
山の草とか花とか虫とか-どろどろしたところの階段

職人さんが言うには、かつての山道もこんなふうに手入れをしていたそうです。
水を道の横に排水するのは水きりと言っていました。今は出来る方が少なくなってね。と言うことでしたから、途絶えかけている技術なのでしょう。
登山道の整備については、いろいろな意見がありますが、たとえば朝日連峰には縄文時代のやじりなどが見つかったり、ほかの山域でも古くから道のあったところもあるわけです。
今はずいぶん遠くからも登りにやってくるようになったため、使いすぎということもあるのかもしれませんが、放っておくとどんどん道が掘れたり崩れたりして、直すにはほかから材料を持ってこないといけないということになりたくさんの費用がかかる上に、ほかから持ってきた石ころはこの山とはべつの石ころなわけです。

山の草とか花とか虫とか-古寺鉱泉
山から下りていつものところ。

さて、翌日はもうちょっと高いところで一日の作業になりました。