家のまわりはすっかり雪に覆われました。ちいさい草たちの観察はしばらくはお休みになります。

雪の積もる前のこと、12月の上旬にクズのマメを撮っていました。
茶色で、班点のあるマメです。
ヤブツルアズキに、クズにフジに。
野生のマメの仲間は、こんな模様のものが多いですね。ハトに食べられないようにしているのでしょうか。
山の草とか花とか虫とか-1202クズのマメ

サヤは毛だらけ。
たくさんたくさん実ります。でも、空っぽのサヤも多かったです。
実らないのが混じっても、とにかく数で勝負、という感じです。
山の草とか花とか虫とか-1202クズのサヤ

これは、またちょっと違った場所のもの。
ほんとにたくさん実ります。
山の草とか花とか虫とか-1206クズのサヤたち

ここは、夏には一面のクズの野原になっていました。
クズはとても成長が速く、見る見る間につるをのばします。
聞いたはなしで、数字があいまいなのですが、ひと夏に30mもつるを伸ばすそうです。
木に、草に、それぞれに生存戦略があるのでしょうけれど、つるの場合には木のように自分の体を支えないことでどんどんと長さを稼いで、夏の日差しを思う様に浴びるのでしょう。
山の草とか花とか虫とか-1206クズの枯れたの
しかし、冬にはたくさんつるや葉のあるのを維持するのはたいへんそうです。
夏の間に、一気に稼いで、冬はあきらめて全部地上部を枯らしてしまう。
ずいぶんと極端な生き方に見えますね。

夏のクズの葉は、このようでした。
地面も這いますが、ありとあらゆる木に、電柱に巻きつきます。
おおきな木がクズにからまれて、おおきな緑の塔のようになってしまったものも、時折見かけます。
山の草とか花とか虫とか-グリンモンスタ

7月31日「つるたちの登攀
そう、この記事を書いたときに、クズも観察していたのですが、クズがいろんなものに登る仕組みが、どうにも見当がつきませんでした。
山の草とか花とか虫とか-クズの毛
アサガオのつるなどは、毛が下向きに生えていて、それをひっかけて登っているのかなと思えるのですが、この毛の生え具合ではそういうわけにも行きません。

また、葉っぱもなかなか面白くって、こうやって親指と、人差し指でわっかをつくり、ちょっとへこましてセットして、ここをもう一方のてのひらで、勢いよくたたくと「ぽん!!!」と大きな音がします。子どものころには力も弱く、手も小さかったから、教えてくれる大人の大きな音に「すごい!」と思ったものでした。
山の草とか花とか虫とか-クズの葉でぽん
この葉っぱ。
シロツメクサと同じように、夜には葉を立てて過ごします。
真夏の強すぎる陽射しにも同じように葉を立てて陽を浴びすぎないように動きます。
・・・その様子、撮ったはずなのに写真が見つかりません。

このほか、クズから採る繊維の葛布のはなし、ひいじいさまと子どものころに、根っこからでんぷんを採ったはなし、風邪をひいたときに、それで「くずゆ」を作ってもらって飲んだはなし、なんと言いますか、書くときりのないくらいに、ずるずるとはなしが思い出されます。
ほら、やっぱりね、つるだけに。また、そのうちに書きたいなと思います。来年かな?来年の夏になるかな。

そうそう、それで花です。
これは8月の半ばに撮っていました。
昨日は、キリを載せましたが、キリの花は、かたちとしてはこれに似ています。
クズの花は、葉のしたに隠れるように咲いているのが多かったように思います。
濃い紫色に、中心部が黄色くなっています。
この花から、上の写真のサヤができるのはほんとに不思議です。
山の草とか花とか虫とか-0812クズの花

では、フジ。
こちらはフジの花ですよ。
5月の中旬から下旬にかけて咲いています。
山の草とか花とか虫とか-フジの花
フジの花は、このようにぶら下がっています。
昨日のキリの花に、フジの花に似ている色あいとコメントをいただきました。
なるほど、言われてみればたしかに似ています。

クズに、キリに、フジ。
どれも花の穂(花序)は、コーンのかたちをしていますが、上向き、下向きなのが面白いです。
あ、ほかにもトチの花は上を向いていますね。

クズは、ほんとにあちこちに生えてきます。
身近なだけに、書きたいことは山ほどあります。
こういういつもそのへんにある植物は、おはなしを書くとなるとはなしが書ききれず困ってしまいます。

今宵はここまで。おやすみなさい。


Plant×50

クズ、フジ・・・2種×50=100円

12月1日から累計1,300円 11月:3,150円 10月:3,900円 9月:3,700円  4~8月:18,150円