「登り 天狗角力取山と障子ヶ岳1」の続き、第二話、です。

今回泊まった天狗の小屋は、正式名称(?)を「天狗角力取山避難小屋」といいます。
こじんまりとした素敵にちいさい小屋で、定員は40名ほど。しかし、う~ん40名泊まれるのかな?というかんじの小屋です。大朝日小屋が定員100名ですから、ちいさいことがわかります。
朝日連峰の主稜線などにある小屋では、以東岳の小屋の定員は25名とありました。
これは、大鳥まで下山しやすいからだと思います。以東の小屋にも泊まってみたいな。
鳥原山の小屋は・・・。
ええと、キリがなくなるので、今回は天狗の小屋について。です。

山の草とか花とか虫とか-天狗大
天狗だぁ~。

小屋の二階にあがる階段のおどりばの壁面に、天狗の面が3つ飾ってあります。
この天狗の面たちは、実は「指定重要文化財」なのです。
山の草とか花とか虫とか-小屋指定重要文化財
写真左の、ちいさい面二つの間にある、しろい丸の換気口の下に説明書きがありました。
『「小屋」指定重要文化財」と・・・。
その下には、お賽銭置き場がありました。置き場、といっても、小皿なのですけど。
これは、かけがえのない、大事な文化財であるなあ、という気持ちがしました。

まわりには、ちいさな額縁に入って、いろんな方の写真が飾ってありました。
これは、管理人さんが撮ったものと書いてあります。
5月はじめの、障子ヶ池(2日目に通りましたから、後日載せたいと思います)にいたクマの親子。
ああ、ものすごくもこもこと黒くって可愛らしい!
(実際に親子連れのクマを見かけたら、一目散に逃げたほうが身のため、かと思います。)
山の草とか花とか虫とか-クマの親子の写真
この写真の、中央部の藪のようなところは、尾根かな?たぶん、右のほうは雪が風下にたまったところで、夏はがけであると思われます。

1階の入り口から入ってつきあたり左にトイレ、右に小屋の中となっています。
小屋のなかに入って、左には、天狗文庫なる本棚があります。
この写真には、写っていませんが「遠眼鏡あります」と貼ってありました。
はて?とおめがね、と。
ぼくは、てっきり望遠鏡があるものだと思い、棚を眺めてみましたがありません。
は~・・・。遠視鏡(えんしきょう)だったか。
山の草とか花とか虫とか-天狗文庫

小屋のあちこちに、こんなスタンプが押してあります。
障子ヶ岳と、天狗角力取山、そしてちいさい天狗と、小屋が書いてあります。
山の草とか花とか虫とか-小屋の中の柱

そうそうそう。天狗ばっかり紹介して、相撲のほうです。
粟畑から、天狗角力取小屋の山頂に行く途中から、東に降りて小屋があるのですが、小屋に降りるところに、土俵はあります。
この写真は、天狗角力取山山頂から、2日目の帰りに撮りました。このときは、晴れてきて、紅葉が明るく照らされました。
奥にまるくみえるのが粟畑。
写真ひだり下にあるぽっかり空いたところに、土俵はあります。
山の草とか花とか虫とか-天狗角力取山からみた土俵

近くで、土俵を撮ると、全部おさまりません。
写真中央に、仕切り線もありますね~。
山の草とか花とか虫とか-土俵
これは、風衝地のぽっかり空いた地面に、だれかが石などを並べて作ったものだろうと思います。
ケルンの一種、としても良いかもしれません。

粟畑近くからの天狗の小屋。
この写真も、2日目、障子ヶ岳に向かう途中に撮りました。
山の草とか花とか虫とか-紅葉の天狗角力取山小屋
尾根から見て、右側にちいさい沢があるくぼみが見えるでしょうか。

そこにあるのが、天狗の小屋の水場です。
こやからは、う~ん。20mくらい?
小屋にはサンダルがあり、ちょっと外にでるのに便利なのですが、ここの水場に降りるところがちょっと急なので、きちんと登山靴を履くのが良いと思います。ぼくは、めんどくさがって、サンダルで行ってしまいました。
山の草とか花とか虫とか-水場
ここは、残雪期などは、水が汲めないかもしれません。
・・・まあ、残雪期なら水はたくさんありますね。

この夜は、東京から来た7名くらいのパーティ。単独のかた1名。カメラマン1名。とぼく。でした。
パーティで来たかたは、何度も訪れているようで、東北の山は、ここの小屋は良いなあ~。良いな~と皆でなんども言うのでした。
単独行のかたも、ぼくが作業をしていた9月25日に、大朝日を訪れていたとのことで、すれ違っていたみたいです。一度来てしまうと、何度も来たくなってしまうのかな。
ぼくも、朝日連峰は何度でも行きたいところです。もちろん、もちろん。

カメラマンの修行中のかたは、二眼レフを二台と、マミヤのほうは、交換レンズを二本持ってきていました(C330は、国産最後の二眼レフ、と言っておりました)。
前日には、このちかくのどこかの山頂で、一晩撮影を(というか、ビヴァーク?)をしていたとのこと。そして、リコーって、二眼レフを作ってたんですね。
山の草とか花とか虫とか-二眼レフ
彼は、まだ修行中とのことでした。北アルプスに行けば、どこを撮っても素晴らしい写真が撮れるのはわかっているけれど、ここにくると、自分の足で歩き回って撮らないといけなんですよ~、と言っていました。やはり修行かあ。
8日間の日程で、この夜は二泊目。
これから、三方境から三面のルートに行くと言います。
三面のルートはものすごく長いので、どうするか聞くと、「まあ、途中でビヴァークでもします」とのこと。ああ、漂泊の山旅。素敵です。
彼には、このブログのアドレスをメモしてお渡ししましたが、これを見てくれるのは、まだ先なのでしょうね。無事を祈ります。

まだ話は続きます。明日は、小屋からウツノシマ峰を通り、見晴し台です。

※最後に。朝日連峰の各小屋は、一泊1500円の協力費をお願いしますね。小屋のなかや、トイレが綺麗なのは管理人さんのおかげですから。管理人さんがいない時期やいない日は、小屋のなかのポストに入れてくださいね。