昨晩、もったいぶったように日本で一番ちいさいトンボ、なんて書いたハッチョウトンボです。
うちの近くには、ぼくの知っているところで3箇所の生息地があります。
聞いた話では、あと2箇所生息していた水場があったのですが、ぼくが聞いた時点ではもう宅地になったりしたあとでした。

今年の最初に確認したのは6月22日でした。
とある休耕田にて。
オスはまっかっかです。眼も体もしっぽ(腹部)の先まで真っ赤。
翅自体も、根元近くはオレンジ色になっていました。
山の草とか花とか虫とか-ハッチョウトンボ オス

背後から撮りました。
翅の脈も根元近くが赤くなっています。
彼のとまっている草は・・・なんでしょう?
イグサ?スゲ?とにかくちいさいつんつんした湿地に生える草、です。
すみませぬ。まだ、ぼくにはわからないのでした。はっきりとは。
山の草とか花とか虫とか-ハッチョウトンボオスバック

こちらは、メス。
腹部がアブみたいな模様です。
初めて見たときには、あまりにちいさく、ずいぶんやせたアブがトンボみたいな動きをしているな。
と思ったものでした。
雌雄とも、おおきくて2cmくらいでしょうか。
今回も、大きさにじぶんの目が慣れるまで「見えない」のでした。
山の草とか花とか虫とか-ハッチョウトンボ メス

なかなかに撮るのが難しく、しかもこの休耕田はじぶんのものではないし、生息環境を動かしたくないので立ち入るのもはばかられ、なにかと比較して撮れないのが残念でした。すごく小さいんです。
う~ん。ぼくの小指の第一関節。くらいです。
ああ!一円玉がちょうど2cmですから、一円玉に収まるくらい、です。

昨年撮った写真もついでに載せますね。
オスとメスがいっしょに写っています。
お気に入りなのでした。
山の草とか花とか虫とか-ハッチョウトンボ雌雄

図鑑には、ハッチョウトンボの生息環境として、ミズゴケのあるところ。なんてなっていますが、ここではサンショウモがありました。まわりの草丈は10cm~15cmといったところ。
生息地の決め手は、水深と草丈らしいのです。
水深は、ほかの草の枯れたものなどが入り混じって5cmくらい。
草丈は10~15cmくらい。カヤ、ガマなどの大きな草が繁茂するとすめなくなってしまうそうです。

ここは休耕田ですが、この生息環境を満たすような環境って一体ヒトが農耕する前はどんなだっただろう?なんとなく河川の氾濫原で、大きな草が流されたり、三日月湖が湿地になり、遷移していく過程。
そんな環境だったでしょうか?そういう移り変わる湿地を旅しながら生きてきたのかなあ。

ちなみに、うえの写真の近く。
深くないけど、浅すぎない水のあるところ。
サンショウモがありました。水に浮くシダの仲間です。
これは、うちの県ではたしか、絶滅危惧Ⅱ類。
ハッチョウトンボも準絶滅危惧種。
山の草とか花とか虫とか-サンショウモ 生息環境

こっちの写真の中央部のサンショウモに囲まれたもの。
これは多分、イチョウウキゴケでしょうか。
うちの田んぼにも稲刈りの時期に増えているのですが、これはうちの県では指定なしですけども、環境省のRDBでは準絶滅危惧種となっています。
山の草とか花とか虫とか-イチョウウキゴケ

サンショウモ、も、イチョウウキゴケも農薬に弱いらしいです。
が、この稀少な生き物たちが住んでいる休耕田のすぐそばの道路は、路肩周辺全部に除草剤がまかれていました。
(今週、通勤で毎日通っている道路にも軒並み除草剤散布でした。昨年までは草刈りしてくれていたはずなのに、今年はなぜか除草剤。トラックの荷台に噴霧器を積んで運転しながら撒いている様子を見ました。厳重に抗議したいと思っております。)

もう!無関心にも程がある。

ちいさい生き物たちは、無関心のうちに消え去っていくのかなあ。


蟲×50

ハッチョウトンボ・・・1種×50=50円

Plant×50

サンショウモ、イチョウウキゴケ?・・・2種×50=100円


7月1日から累計4,850円  4月:3,050円 5月:3,400円 6月:2,500円