小説「家日和」 奥田英朗 | フインキーのふんいき レビュー

小説「家日和」 奥田英朗

皮肉たっぷりの日常を描いた短篇集。
全6話。

家日和 (集英社文庫)/奥田 英朗
¥500
Amazon.co.jp
スコア選択: ★★★★

すべての話が特徴的で思い返すだけでもニヤリとくるものばかり。
どれも苦労している人の話だけど、角度を変えてみればいいことも見えてくる、そんなホッとする物語たち。
少し紹介すると…

サニーデイ
インターネットオークションにはまった主婦がオークションの結果如何により、老けたり若返ったりする話。
予想以上に高い値がつく快感に味をしめると、どんどんエスカレートし、ついに夫の大切にしているレコードにまで手をつけ…

ここが青山
会社が倒産し、夫だけど専業主婦になったら意外と…
むしろこっちの方が向いてるかも。
そういう人はきっと多いはず。

家においでよ
妻が家を出ていった。
妻が家具をほとんど持って行ってしまい、がらんどうの部屋だけが残った。
よし、自分専用の格好いい部屋にしてやろう!
大きなスクリーンに高価な音響設備、これぞ男のロマン。
そしたら人を呼びたくなった。旧友を読んで学生のように楽しむ毎日。
そんな生活が続いた後、その中の一人が深刻な顔をして家に訪ね来て…

グレープフルーツ・モンスター
内職する主婦のもとにやってきた業者の若者。
最初は嫌悪感しか抱かなかったその若者に、その夜彼の夢を見てから、どんどん惹かれていく。
週一の訪問日が楽しみになり、すっぴんから化粧をし出し、服をセクシーにし、しゃがむタイミング、位置まで計算し、さぁバッチ来い!
しかし、その若者はあまりにも鈍感で…

夫とカーテン
色々な事業に手を出し、職を転々とする夫。
今回はカーテンを売ることにしたらしい。
話を聞いてみるとたしかに売れそうだが、雇ったバイトを見てみるとダメそうな…
案の定、カーテン販売はうまく行かないが、私の絵の仕事は順調に展開し…

妻と玄米御飯
妻が健康自然志向になり、家庭内環境が変わった。
食べるものから生活習慣まで。
あまりにも今までとかけ離れた環境のため、何かにとり憑かれたのではあるまいか。
この面白い状況を本にしたら、どれほど面白い作品になろう。
でも、妻や周りに読まれたらマズイ、でも書きたい。
うーん、どうせ読まれないだろう。書いちゃえー。

以上、全6話。なかなかの塩梅でした。