実用書「フェルメール全点踏破の旅」 朽木ゆり子 | フインキーのふんいき レビュー

実用書「フェルメール全点踏破の旅」 朽木ゆり子

世界中でファンが多いフェルメール。

いま渋谷で「フェルメール<地理学者>とオランダ・フランドル絵画展」がやっています(5月22日まで)。
見に行く前にフェルメールの勉強として読みました。
ちなみに、この展示会ではフェルメールの作品は”地理学者”のみなので、注意してください。

フェルメール全点踏破の旅 (集英社新書ヴィジュアル版)/朽木 ゆり子
¥1,050
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★★★★★

この値段でフェルメールの作品を全て見られるだけでも買いだと思います。

通常、フェルメール作品集といったら、年代順に並べられているものが多いのですが、今作は絵が収蔵されている場所(ベルリン、ニューヨークとか)ごとに分けてあります。

つまり、この場所にいけばこの作品を見ることができるよ!ということを教えてくれるわけです。
また、その土地ごとで作品の傾向や趣向も説明してあり、興味深い視点から描かれています。
不思議と読んだ後、自分もその旅に参加したような、そんな満足感が得られます。

フェルメールの作品自体30数点と多くありません。
そして、そのどれもが恍惚とさせられるような綺麗な絵ばかりで、ファンが多いのもなるほど納得。
だから、その気があれば世界を周り、全ての作品を実際にその目に収めることも不可能ではないのです。

今回、渋谷に”地理学者”がやってきます。
この絵、本で見ると少し暗いため、細部まで見えないのですが、テレビで見たときはこれよりずっと明るく、綺麗に見え、パァッと窓から光が入ってくる様子がとても印象に残ります。
実物は…どうなんでしょうね。

この本にはもちろん絵だけでなく、筆者の解説も入っています。
様々な文献を参考にして、独自の解釈で説明してくれていて、好感がもてます。
過去の学者たちの見解に対して、自分はそうは思わない!ということもハッキリと書かれているのも、なかなか面白い点です。

全ての作品を網羅してあるので、フェルメールの絵を見に行く前準備としては、この本だけで十分のような気がします。
個人的に好きな絵は”窓辺で手紙を読む女”です。
一目みて分かるその切ない雰囲気に心を奪われました。
生きてるうちに実物を見てみたい作品です。