小説「四度目の氷河期」 荻原浩 | フインキーのふんいき レビュー

小説「四度目の氷河期」 荻原浩

個人的な最近の流行り、荻原浩
これは完全にタイトルで損してる作品だと思います。
こんなに面白いのにな…

四度目の氷河期 (新潮文庫)/荻原 浩
¥820
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スコア選択: ★★★★★

情報が少ないがために起こった壮絶な勘違い。
こんな面白い勘違いがあるなんて知らなかった。

母子家庭のワタル(小学生)は思う。

・なんで僕の髪は茶色で巻き毛なんだろう。
・なんで顔の作りが皆と違うんだろう。
・なんでみんなより力が強く、足が速いんだろう。
・なんでこんなに体が大きのだろう。           → 自分の父はクロマニョン人だからだ!


え、なぜに?

と、今なら言える。
けど、自分が小学生のころはどうだったろう?と考えると、この周りとの違いすぎる状況ではそう思えるかも知れない。
しかも、あまり情報が入ってこない時代の田舎だと特に。


そんなワタルは、どんどん自分の考えが正しいと信じこんでしまいます。
しかし、そこで一人の少女サチが登場。
都会から来た彼女は一匹狼のワタルと仲良くなり、ワタルを正しい方向に導いてくれます。
これが序章。
こっから18歳になるまで、ワタルの心の成長は続きます。

これからの長い年月、様々なことがあります。
ときには笑い、ときにはドキドキとし、ときには心を抉られるような悲しさに襲われます。
それを乗り越えるワタル。
その支えとなるのは、母と友達のサチ。
彼女たちとワタルとのやりとりはどれも印象的で、思い出すと涙腺が刺激されます。

最後はちょっと意味深な終わり方だけど、ハッピーエンドと信じたい。
重松清が好きなら、絶対面白いと思える作品だと思います。