小説「砂漠」 伊坂幸太郎 | フインキーのふんいき レビュー

小説「砂漠」 伊坂幸太郎

伊坂作品の中でも特に好きなこの作品。
文庫化したので、さっそくゲット。

砂漠 (新潮文庫)/伊坂 幸太郎
¥780
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スコア選択: ★★★★★

5人の大学生が春夏秋冬を過ごす話。

当時読んだときは自分も大学生だった。
あのとき、この物語から受けた衝撃はとても大きく、今でも心にザワザワしたものが残っている。
そう、砂漠のような…

この作品を読むのは2度目だけど、ようやく見えてきたものがある。

それは西嶋の格好良さだ。
彼はぽっちゃりメガネの所謂オタク系。
だけど、普通じゃないのは、その意志の強さ。

そんな彼が汗と唾を飛ばしながら早口にまくしたてる姿は軽く想像つく。
これを読んだだけで軽蔑しそうなあなたも、彼の言葉が後半強い力を持って心に刺さってくるようになる。
ここで書くと威力が半減するのでもちろん書かないが、東堂(美少女)とのキャバクラでのやりとりには涙が出そうになった。
誰しも読み終わった頃には西嶋に惚れていることは間違いない。

また、主人公・北村の序盤と後半の違いも見逃せない。
何事も覚めた目で見る北村がどんどん人間味を増していったのは、やはり西嶋のおかげ(笑)

これはそんな西嶋の物語である。
なんてことは、まるでない。