小説「新参者」 東野圭吾 | フインキーのふんいき レビュー

小説「新参者」 東野圭吾

加賀恭一郎シリーズ。

今年の4月18日からTBSでドラマ化するそうです。
加賀役は阿部寛。多分、顔が濃いから選ばれたんでしょう。

新参者/東野 圭吾
スコア選択: ★★★★★

日本橋でひとり暮らしの40代の女性が絞殺された。
日本橋署 に着任したばかりの加賀恭一郎は事件を追う。


東野圭吾には珍しく連作短編という形式。
また、被害者がここまでクローズアップされた作品も珍しいのではないでしょうか。

ストーリーは事件関係者である人々の日常に、加賀警部補がやんわり入り込んでいくというもの。
この”やんわり”というのが重要で、この物語はあくまで住人中心の話であることを示唆しています。
つまり、事件の捜査がメインではないということです。

各話は日本橋に住む人々によって紡がれます。
それぞれ問題を抱え、精一杯毎日を生きている彼らの姿はとてもリアルで身近なもの。
そこに加賀さんが現れ、問題に対していい風をもたらしてくれます。
第三者の存在がここまでプラスになるのも、緻密に計算されたシナリオが成せる技。
ラストには舌を巻くことマチガイなし。

次に被害者について。
この本は被害者の周りの人々を映すことによって、被害者の人となり、心情といったものを段々と見せていく構成となっています。
読むにつれ、被害者の人の良さや想いが分かり、心が痛い痛い。
筆者はこういった話を生み出すのが本当に上手ですよね。

この本は事件のトリックや犯人探しを楽しむものではなく、人々の生き様から秘めた想いや出来事を楽しむ作品でした。