小説「カッコウの卵は誰のもの」 東野圭吾
東野圭吾らしい心温まるミステリ。
スキーヤーの緋田風美はその卓越した技術と能力で将来を嘱望されている。
スポーツと遺伝子の関係を研究している企業は風美の遺伝子から類まれなるパターンを発見し、その裏付けのため元日本代表である風美の父親にも検査を依頼していた。
しかし、父親から一向に検査の了解を得られない。
そもそも、風美の父親には絶対に打ち明けれらない秘密があった。
序盤は風美という”金の卵”を父親と企業が取り合うというような様相を見せる。
才能よりも努力が大切という父親と、努力よりも遺伝子による突出したポテンシャルが大事だという企業側。
タイトルからも、この対極にいる二つが才能を奪い合うという話なんだろうな、と思った。
でも、徐々に雲行きが怪しくなる。
それは一通の脅迫文から始まった。
この手紙によって、話は違う方向に進んで行く。
じゃあ、こっちが本筋かな、とまた思った。
しかし、意味のないサイドストーリーを東野圭吾が書くはずもなく、読者はまんまと策に嵌っていくのである。
実はこれも巧妙に仕組まれた伏線で、全てこの”金の卵”を中心に回っていたことに最後になってようやく気づく。
あっぱれあっぱれ。
ストーリーもさることながら、会社側と父親の関係、父と娘の関係も特筆したい。
何事にもまっすぐな父親、それに感化され変化して行く周りの状況や関係。
それが家族であれ、他人であれ、影響され信頼や愛情が生まれる様子は、とても清々しく温かい。
そして、一気に収束して行くラストもまた良い。
まるで良作映画を見終わった後のような、心地よい余韻が残る作品だった。
- カッコウの卵は誰のもの/東野 圭吾
スコア選択: ★★★★
スキーヤーの緋田風美はその卓越した技術と能力で将来を嘱望されている。
スポーツと遺伝子の関係を研究している企業は風美の遺伝子から類まれなるパターンを発見し、その裏付けのため元日本代表である風美の父親にも検査を依頼していた。
しかし、父親から一向に検査の了解を得られない。
そもそも、風美の父親には絶対に打ち明けれらない秘密があった。
序盤は風美という”金の卵”を父親と企業が取り合うというような様相を見せる。
才能よりも努力が大切という父親と、努力よりも遺伝子による突出したポテンシャルが大事だという企業側。
タイトルからも、この対極にいる二つが才能を奪い合うという話なんだろうな、と思った。
でも、徐々に雲行きが怪しくなる。
それは一通の脅迫文から始まった。
この手紙によって、話は違う方向に進んで行く。
じゃあ、こっちが本筋かな、とまた思った。
しかし、意味のないサイドストーリーを東野圭吾が書くはずもなく、読者はまんまと策に嵌っていくのである。
実はこれも巧妙に仕組まれた伏線で、全てこの”金の卵”を中心に回っていたことに最後になってようやく気づく。
あっぱれあっぱれ。
ストーリーもさることながら、会社側と父親の関係、父と娘の関係も特筆したい。
何事にもまっすぐな父親、それに感化され変化して行く周りの状況や関係。
それが家族であれ、他人であれ、影響され信頼や愛情が生まれる様子は、とても清々しく温かい。
そして、一気に収束して行くラストもまた良い。
まるで良作映画を見終わった後のような、心地よい余韻が残る作品だった。