小説「友情、初恋」 武者小路実篤 | フインキーのふんいき レビュー

小説「友情、初恋」 武者小路実篤

ふと古本屋で目についたこの本。
ちょうど文学小説に興味があったので読んでみた。

家に持って帰ったら既に書棚に2冊もあったのだけれど…

友情;初恋 (集英社文庫)/武者小路 実篤
スコア選択: ★★★★

友情と初恋という2つの短編が収められている。
友情はフィクション、初恋は筆者自身を描いたノンフィクションで、友情は初恋の5年ほど後に書かれたものらしい。

まず友情から。
読み始めてみると最初こそ昔の喋り言葉が読みにくく、なかなか頭に入ってこない。
が、それに慣れてしまえば、今の小説と一緒で面白く読めるようになってくる。

途中まではこんな感じだった。
文学小説といえども普通だなぁ、なんて。

しかし、真髄は最後の手紙のやりとりなのだと、ラストでやっと気づく。
今まで割かれた出来事はこのラスト数ページのための布石であり、この手紙で描かれる差出人の心情変化には誰しもハッとしてしまうものがあろう。

それにしても、ここに出てくる親友の大宮は何てできた人間なんだろう。
読んでいて彼に共感できる部分は沢山あった。
彼の心情や行動は模範的で、立場上そうしなければいけないのはわかっているけど、実際自分がそこに立たされたら、ここまで友情一本で進むことはできない…

読むと誰しもどこかに共感できる部分があると思う。
そして、この難題に頭を抱え、若いうちに感受性を鍛えていくなんぞ、なんと文学らしいことか。
やはり、これは10代のときに読んで、心に刻んでおくものだと感じた。

初恋に関してはノーコメントで(笑)