小説「沈黙者」 折原一 | フインキーのふんいき レビュー

小説「沈黙者」 折原一

~者シリーズは誘拐者失踪者冤罪者 に続き4作目。

沈黙者 (文春文庫)/折原 一
スコア選択: ★★★★

新年早々、一家4人が惨殺された。
ただ一人被害を免れた娘と、行方不明の弟を残して。
その10日後に老夫婦の変死体が発見される。
一方、万引きと暴行で逮捕された男が名前を名乗らず逮捕される事件があった。
彼は行方不明である被害者の弟なのか?


久しぶりにこのシリーズを読んだせいか、最近読んだものと比べて、やけに全うとした文章で驚いた。
過去の自分の記事を見たら、なるほど真面目なシリーズなのね、納得。

さて、この話、よく出来ている。
今、あらすじを書いているときにも、あれっ?と思ってしまった。
あらすじにも、惑わせるような文章が含まれているのだ。
うーん、これはどう考えてもはまってしまう。。。

そのトリックは珍しく理解しやすく、初期の折原作品のよう。
久しぶりに折原作品で感動が味わえたので、初心者にもオススメできる。
一回読んだだけでも、そのプロットの緻密さは伺えるはず。

詳しくは書かないが、この本を読んで一番しっくり来ないのはストーリーではなく、その万引き男に下された刑だと思う。
果たして、大した罪(殺人など)でもないのに身元を黙秘することで懲役6年の刑が下されるのか?
…なるらしい(章末の解説より)。
となると、もう特に文句ありません。

他の~者シリーズと比べても、分量は少なめなので読みやすく、驚きも相応のモノがあり、読んでも損はないと思う。