小説「クラインの壺」 岡嶋二人 | フインキーのふんいき レビュー

小説「クラインの壺」 岡嶋二人

岡嶋二人 名義の最後の作品。
岡嶋作品は昔の作品とは思えないほど、先進的な作品が多くて好きです。

クラインの壺 (講談社文庫)/岡嶋 二人
¥800
Amazon.co.jp
スコア選択: ★★★★

フリーター・上杉はゲームブックの募集に応募した。
受賞は逃したがある人の目にとまり、その原作をもとにしたゲームが作られることになる。
そのゲームとはヴァーチャルリアリティの仮想現実世界を旅するもので、今まで誰も体験したことのないものだった。


ゲームの中で全く違う人生を生きることができる、それも現実のように体感しながら。
もちろん痛みもあるし、死ぬこともある。
じゃあ死んだあとは??
リセット

現実世界と仮想世界、この境界線がなくなることがどれほど恐ろしいことか実感させられます。
夢でも時々、現実かと思ってしまうことがありますが、更に五感を伴ったバージョンと想像すれば遠からず。

こんな夢のような装置ができるわけがないですが、存在するとしたらこの本に書かれてるようなことにもなるんだろうな~。
ゲームと称された機器の裏に隠された真意は…

とても読みやすいんですが、このテーマでもっと深く重い物を読みたかったです。
装置やそれに纏わる事件の説明などがちと軽い。

でも読後の安堵と不安が混ざったような奇妙な感覚は十分味わえます。
解決は提示されませんが、読み終わってからまた最初の章を読むと大体分かるようになってます。


今、実際に通信技術の発達で遠隔地でもさわり心地などが伝えられるようになってるようなので、こういった疑似体験できる装置などができる日も来るかもしれませんね。