小説「鳩笛草」 宮部みゆき | フインキーのふんいき レビュー

小説「鳩笛草」 宮部みゆき

「朽ちてゆくまで」、「燔祭」、「鳩笛草」の3遍から成ってます。今回もSFでございます。
どの話も超能力をもった女性が主人公です。

鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで (光文社文庫)/宮部 みゆき
¥620
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スコア選択: ★★★★


「朽ちてゆくまで」は予知夢、「燔祭」は念力放火、「鳩笛草」は読心力と様々。
すべて超能力ですが、その能力者の現状は各々違います。



「朽ちてゆくまで」の麻生智子は現在、超能力はないが、あるきっかけで見つけたホームビデオにて、子供の頃(記憶の無い時期)に予知夢を見ることができたということを知る。
この話はちょっとホラーテイストで段々と真相が明らかになる怖さ、そんなゾクゾクっとする感じを味わえます。


「燔祭」の青木淳子は妹を殺害された兄に代わって、念力放火の能力を使い報復の協力を申し出る。
この話は以後の「クロスファイア」に続く、青木淳子デビュー作。


「鳩笛草」の本田貴子は読心力の力が段々無くなりつつある状況で、様々な試練に直面し、刑事としての自分の資質を疑っていく。
力が衰え、無くなってしまうことに怯え、段々と落ちていく状況が上手く描かれ、不安の中に希望が見え隠れする、とても印象的な作品。



個人的には、「朽ちてゆくまで」が好きでした。
ハッピーエンドで終わるところや、人のやさしさを感じられるところなんかも。



本文でも出てきましたが、将来、脳の研究が進んだら、読心力の仕組みも解明される日がくるかも知れません。超能力は人間の普段使用している能力の延長線上にあるものと考えると、誰でも意図的に使うことが出来る日が来ることもありえそうですよね。
読心力などが広まったら、はたして世の中は上手く機能するのでしょうか?