小説「堪忍箱」 宮部みゆき
8篇からなる短編小説です。
宮部 氏の時代小説は初めて読みました。
- 堪忍箱 (新潮文庫)/宮部 みゆき
- ¥500
- Amazon.co.jp スコア選択: ★★★
時代小説はとっつきにくいので苦手です。
が、読み始めると、これが面白いこと面白いこと。
短編なので、すぐ終わってしまうのが残念なくらい、どの話も熱中して読んでしまいました。
自分と同じように時代小説を避けている人は、手に取りやすい短編集から入ってみるのもいいと思います。
モノの名前や話し言葉などやはり古く、意味の分からないことが出てきたり、慣れてないせいか若干読みにくかったりと、ある程度読んだ後でも、まだ抵抗があるかなと感じます。
でも、物語に入り込むことができたらこっちのもので、文字がスラスラ頭に入ってきます。
これも宮部氏の力量でしょう。それゆえ、各話もう少し読みたかったなーという思いが残りました。
全240ページ弱で、1話だいたい30ページくらい。
最後の解説でも書かれてましたが、どの話もすんなり解決して終わるようなストーリーではありません。
描かれているのは、そこに出てくる人間たちの心のざわめき。物語がどう決着するかというより、そこにどんな人間が息づいているかが作者にとって大切なのです。
全て何かしら凝った話だと思うんですが、何が言いたかったのか不明なのもありました。
ちゃんと解決してくれないと。。。という人には向きません。中途半端といえば中途半端なので。
個人的に好きな話は「敵持ち」と「お墓の下まで」と「砂村新田」。
「敵持ち」は、用心棒として雇った侍に助けられる話。これはシリーズ化してほしい。
「お墓の下まで」は、1つ屋根の下に住む一家全員が人に打ち明けられない秘密を持っているという話。
「砂村新田」は、親の過去を知るという心温まる話。