小説「転生」 貫井徳郎 | フインキーのふんいき レビュー

小説「転生」 貫井徳郎

同筆者の幻冬舎「さよならの代わりに 」と同様、穏やかな作風です。
転生 (幻冬舎文庫)/貫井 徳郎
¥680
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スコア選択: ★★★

心臓を移植された和泉は、以前の自分と違ってきた趣味や趣向に戸惑う。
そして、ドナーを探してるうちに驚くべき真実が。。。


他人の心臓や脳を移植して、人格や趣味が変わる系の小説ってのは意外と多いみたいですね。
今まで読んだ中では、東野圭吾の「変身」がそうでした。
「変身」の方は、ミステリ要素が強く、読んでてゾクゾクっとくるものがありましたが、こちらはあくまで爽やか。
今回のように同じ題材でもベクトルが違えば、全然違う話になってしまうので、どちらも面白く読めました。

展開が遅く、主人公の心情描写が多いので、厚さのわりにあっさりとした印象でした。
最後の参考文献にあるように、実際に心臓が移植されて、趣味、趣向が変わったという事例があるんでしょうね。あまり信じられる話ではありませんが、自分がもしそうなったなら・・・と思うと、それこそホラーでしょ。

ラストの「ゴッド・コミッティー」による説明は、考えされられるものがありました。自分には尤もなことを言ってるように聞こえたんですが、みなさんどんなんでしょうか?
たぶん、ここの部分が作者の一番書きたかった所なんでしょうね。
いい気分で読み終えることができました。