小説「さよならの代わりに」 貫井徳郎 | フインキーのふんいき レビュー

小説「さよならの代わりに」 貫井徳郎

タイトルからして哀愁が漂ってます。SFの要素を取り入れた青春ストーリー。この本は前情報なしで読んだ方が楽しめると思います。
さよならの代わりに (幻冬舎文庫 ぬ 1-2)/貫井 徳郎
¥720
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スコア選択: ★★★★★

貫井作品には珍しく軽快なタッチでかなり読みやすい。自分はこういう若者の語り口で描かれたものが、やっぱり好きですね。知性はあまり感じられませんが、共感できる部分がたくさんあって、物語にすんなり入っていけるので。最近、読んだもので言えば「一瞬の風になれ」、「七回死んだ男」などでしょうか。


裏表紙の紹介文でも書いてありますが、青春ミステリです。

最初から明るいノリで、このまま平穏無事でいったらいいのになーと思っていたのですが、やっぱり起きました、サツジン。。。この雰囲気でのミステリ要素ははっきり言っていらないです。そもそも、この物語の核はそこではなく、SFによる時間の流れを巧みに使ったトリックなので、場を盛り上げるために必要だったとしても、違ったアプローチの仕方をしてほしかった。それに犯人の動機もリアリティがなく、何だかあっさりとしてて、貫井さんのいつもの切れがありません。

肝であるタイムスリップを用いたトリックはとても良かったです。しかし、意外と難解でさらっと目を通しただけでは理解不能。自分もちゃんと理解できず、そのまま最後まで読んでしまったのですが、後から時系列で書いてみて、やっとわかりました。理解してから読むと、一転それはそれは切ない話になりました・・・最後の40ページは満点をあげたいくらい秀悦です。

本当最後の展開がよかっただけに、途中のプロットをもっとしっかり練っていれば最高の作品になったはず!発想が良い、惜しい作品でした。