小説「冤罪者」 折原一 | フインキーのふんいき レビュー

小説「冤罪者」 折原一

第118回直木賞の最終候補に残った作品だそうです。600ページもある大作で読みごたえがあります。冤罪とは罪がないのに罰せられることで、最近では痴漢冤罪などがよく問題になってますね。無実の証明ができないときは、罪を受け入れるしかないというのもまた問題だと思いますが。

冤罪者 (文春文庫)/折原 一
¥800
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スコア選択: ★★★★

本格的なミステリーもので、笑いの要素はゼロ、暗めです。前半は人物紹介、後半はトリックといった構成(かなり大まか)。後半に行くにつれ、犯人の行動や言動など残酷でグロい描写が多くなるので、心して読みましょう。

ストーリーは殺された女の婚約者である五十嵐あてに、その殺人の罪で拘留中の河原から自分は冤罪で、それを証明してほしいという旨の手紙が送られてくるところから始まる。これを証明しようと頑張るが、冤罪は証明できるのか?本当に冤罪なのか?そして、今回もどんでん返しが用意されてます。
話の内容的には新鮮味はないですが、プロットがしっかりしているので、先が気になりつい読んでしまいます。真相がなかなか明らかにならないのは、おあずけをくらってるようでイライラしますが、我慢してじっくり読みましょう。その分見返りは大きくなりますよ。

今回の真犯人は珍しく自分の予想的中でした!丁寧に読んでいけば、大体の人が分かるのではないでしょうか。もし犯人がこの人以外だったら、物語自体破綻してしまうので自然に行き着きます。折原作品はそのあたりちゃんと辻褄が合ってるので安心して読めますね。

気になった点として、ある人物の設定や言動に少し無理があったんじゃないかと思われる部分があり、読んでて違和感を感じました。行動に統一感がなく、人物像を想像しにくかったですね。それくらい。