小説「長い長い殺人」 宮部みゆき | フインキーのふんいき レビュー

小説「長い長い殺人」 宮部みゆき

ドラマWで映像化された作品。今ちょうど劇場で公開されているようですね。

長い長い殺人 (光文社文庫)/宮部 みゆき
¥620
Amazon.co.jp
スコア選択: ★★★★

宮部氏の作品は今まで「理由」「R.P.G」「ICO」「ブレイブストーリー」と読んできましたが、先が気になって仕方なかったのは初めてでした。今のところ1番好き。

まず、持ち主の財布目線という発想がおもしろい。全10話あり一見関係なさそうな話でも、1つの大きな事件で繋がってます。ここらへんがモチベーションを下げずに読める良いところ。出てくる財布によって語り口が違うので、常に新鮮な気持ちで読めるのも良かった。

財布目線なのでバックやポケットに入ってるときなど周りが見えない状態では、人の声や鼓動などで色々と判断するわけですが、見えないことを逆手にとってそれ自体伏線にしたりしてます。このテクニックが見事といか言いようがない。これこそが財布を主人公にした理由じゃないでしょうか。

語り口も上手で、先が読みたくなるようにその話だけで全てを語らず、謎を残して終わります。次の話ではまた別のことを語り、謎は?と読者を混乱の渦に巻き込みます。が、最後はちゃんと1つにまとまるのでご安心を。
この本は犯人当ての話ではなく、最後に至るまでの過程を楽しむものなので、そう思って読みましょう。

宮部氏の作品は読みにくい印象がありましたが、今回で改めます。次は「火車」を読む予定。