ヘアメイクの仕事をしてる私ですが、普段は平気ですっぴんでふらふら外出します。
決して顔立ちがいいわけでも、肌質が綺麗訳でもないのに。
同世代の方には「すっぴんで外なんて出れない」という女性も多くいます。
私の持論を言いますと、
外に出たら自分の顔は自分では見えない。
だからすっぴんでも平気なんです…。こんなにズボラなヘアメイクがいていいのでしょうか。自分でも女としてどうなんだろう?と疑問に思う時もあります…。
18歳でアメリカに渡った私は当時勉強にとても忙しい毎日を送っていました。
朝早くから学校へ行き、語学の勉強→美容院で昼間バイト→夜間の美容学校→カフェで宿題
これを月曜から土曜の週6日、日曜日は終日美容院勤務、という日々を送る中、日本の大学生が最もメイクや色んな髪型を楽しむであろう時期に私は勉強とバイトに追われる毎日を過ごして来ました。
そして周りもアメリカの田舎の、のんびりとしたホストファミリーや私と同じように勉強に追われている学生仲間しかいませんでした。
もちろん、みんなすっぴん。
この環境が私をどんどんと「すっぴんパジャマキャラ」に作り上げたのではないかと思います。
大学では体育の授業や、美容学校では決められたTシャツがあり、オシャレなキャンパスライフとは無縁の大学生活でした。
日本に帰国し、まず思った事が、
「みんな細くてメイクが上手い。」
23歳になった私は日本でヘアメイクになり、今までヘアしかやった事がなく、メイクの勉強を始めました。
その時に様々なメイク技術やメイクの楽しさを知りました。ただ、自分の顔でメイクをしても、イメージがある程度つくようになり、濃いメイクをひとしきり楽しんで、20代後半にはまたすっぴんキャラに戻っていました。
ここで気づいた事は、私は自分をメイクして外見を整える事にあまり興味がない。
他の人をメイクして綺麗にする作業が好きという事。
ヘアメイクなんだからもう少しメイクしたら?とか、日焼けとかもうちょっと気を使えば?と同業者に言われる事もありますが、私は
「相手に不快感を与えない外見であればいい」
これをモットーに自分の外見を決めてます。
自分一人で過ごす時は肌に何も乗ってない感覚が好きなんです。
私にとってのメイクは、仕事なんです。
仕事としての最低限の信頼を得る為の作業なんです。
シミだらけ、シワだらけの人にメイクをされるのは多少不安があると思います。なので、シミ、シワは極力コンシーラー等で隠し、お客様に安心して頂ける
「最低限の顔」
で仕事に臨んでます。
人それぞれ、自分のメイクをする理由は色々あります。
大切なのは、自分の顔はプレゼンテーションのツール。自分という人をどう相手にプレゼンするかをコントロールするのが、私にとってのメイクです。
相手を想い、自分が見られた時を想像してメイクをする、これが自分にとって心地よいメイクなんです。
必ずしも、必要にかられてメイクをする必要はないと思うのは、ヘアメイクとして失格かもしれませんが…。