■実録、老朽マンションの現実【第2章-その4】

ちょうど雨が降ったので、下階住戸の区分所有者に漏水の有無を確認すると『漏水はしていない。』と返答があり、途中までだったベランダの排水口(ドレン)工事を実施します。

防水層も馴染んでおり、新しい排水口(ドレン)を取付で修繕工事は完了です。

『大阪のマンション』の管理組合は修繕工事を実施した『大阪技建』に工事費用を支払います。

修繕工事費用も20万円前後だったと記憶している。

管理組合にとって修繕工事費用は痛手です。

とっ、思うのは早計で、ここに老朽マンション問題の陰の部分が隠れています。

実際は修繕工事だが、建前は漏水調査作業です。

とっ言う事は、『大阪のマンション』の管理組合が加入している“マンション総合保険”には、漏水事故の調査費に対して保険金が出ます。

調査費の保険金支払の内容は損害保険会社で違ってきますが、一般的には1年間で総額100万円までと規定されていますが、MS海上火災保険だけは1回の漏水調査で100万円までとなっていました。

要は他の損害保険会社は漏水事故が1年間で10回起こり、調査費用が1回につき20万円なら5回分しか保険金は支払ません。

MS海上火災保険は1回の漏水事故の調査費を100万円までとしているので、漏水が10回起こっても毎回支払ってくれます。

ただ、その分、保険料の掛け金は他の損害保険会社より高めですが、それでも漏水事故が頻繁に起こる老朽マンションにとってみればありがたい保険商品です。

これが損害保険業界にも影響を及ぼしている一番の老朽マンション問題でもある。

だから、『大阪のマンション』の管理組合は痛くも痒くもなく、保険金が下りれば修繕積立金総額も減りません。

そりゃ、日本全国の老朽マンションに対してこの扱いだから、“マンション総合保険”の保険料がグングンと上昇する訳です。

さて、『大阪のマンション』の漏水問題ですが、もともと建物の外壁からの漏水を疑っていたので、これで漏水が止まるとは思えません。

結果は大雨が降ると、再び漏水が起こっていました。

※画像はイメージであり本文とは関係ありません。

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