■2023年の公示地価
国土交通省が2023年1月1日時点の“公示地価”を公表し、全国の全用途平均は上昇した。
三大都市圏(東京・大阪・名古屋)や地方四大都市(札幌・仙台・広島・福岡)だけでなく地方圏の県庁所在地や中核都市も上昇している。
2019年からのコロナウイルス感染拡大も落ち着き、社会や経済が正常化に戻った事で景気が持ち直すなか、都心を中心に地価上昇している。
●東京圏
商業地は全体的に上昇し、東京都区部は再開発街区が完成し、利便性の向上した地点やタワーマンション建設など住宅需要のある地点で上昇が目立つ。
コロナウイルス感染拡大でオフィス需要が減退し地価下落していた千代田区、中央区、港区も上昇に転じた。
国内観光客の回復や海外投資マネーによるオフィス投資需要の高まりで需要旺盛となっている。
横浜市も上昇しており、JR横浜駅など市街地が形成される西区は大学キャンパス移転や企業進出が進み地価上昇している。
2023年3月に横浜市港北区の周辺を走る“新横浜線”が開通したが、思ったより期待感が薄く地価上昇の伸びも大きくない。
住宅地も上昇しており、利便性の高い駅周辺のマンションや戸建て住宅の需要が旺盛で、東京都区部は台東区、豊島区、中野区の上昇が目立つ。
●大阪圏
商業地は前年の横ばいから上昇に転じた。
大阪中心地のオフィス需要も盛り返し、『うめきた2期』など大阪駅周辺の再開発建設が開始され期待感が大きい。
近畿圏の“公示地価”最高値となる『グランフロント大阪南館』など梅田周辺の地価上昇が目立つ。
難波や心斎橋などのミナミは横ばいか上昇だが、インバウンド(訪日観光客)の入国解禁でどこまで盛り返すかに掛かっている。
京都市は上昇した地域が拡大し、国内観光客が戻りつつり、京都駅東側の再開発計画も始動し下京区で上昇が目立つ。
住宅地も上昇し、大阪市の福島区や天王寺区など利便性の高い地域のマンション需要が旺盛となっている。
神戸市は住宅需要の高い灘区で上昇が目立ち、京都市も上昇している。
●名古屋圏
商業地は上昇しており、名古屋市内で上昇した地域が拡大した。
中心地の栄地区で再開発計画が始動し地価上昇のけん引役となっており、店舗など出店意欲も強い。
栄の北部にある『シティコーポ久屋・建設会館』の上昇率が高く、名古屋圏の上昇率は東京圏や大阪圏より大きい。
世界的に名古屋圏は観光都市としては知名度や認識や薄く、コロナウイルス感染拡大前からインバウンド(訪日観光客)需要が大きくなかったことからインバウンド(訪日観光客)、瞬間蒸発した影響も小さかった。
住宅地も上昇し、名古屋市の中区や東区など中心部の上昇が目立つ。
上昇率の最も高いのは東海市で、名鉄の太田川駅周辺では再開発事業が進み利便性が向上し、名古屋より地価や住宅が安く人気が高い。
●地方圏
商業地は上昇しており、地方四大都市(札幌・仙台・広島・福岡)は地価上昇した地域が拡大している。
福岡市は中心地の再開発促進策の効果で新たな高層複合ビルが完成し上昇率がトップとなった。
住宅地も上昇しており、地方四大都市(札幌・仙台・広島・福岡)は札幌市が上昇率トップとなり、旺盛な住宅需要は札幌市周辺の都市にも拡大し、江別市や北広島市でも上昇が目立つ。
北広島市は日本ハムが開発した『北海道ボールパークFビレッジ』を2023年に開業し、商業地と住宅地が2割以上も上昇している。
九州では熊本市菊陽町が“台湾積体電路製造”(TSMC)が建設している半導体工場により、工場進出や住宅建設が旺盛となり商業地と住宅地が上昇している。
地方圏は県庁所在地や中核都市などに人や仕事が集まり上昇傾向にあるが、その周辺や遠方など過疎化が進む地域は下落が続いている。
人口減少と少子高齢化により住人を市街地に集めて効率的に運営するコンパクトシティを目指す自治体と、そこから溢れた地域の格差を埋める政策はまだ見えていない。
●住宅地の最高値
全国の住宅地の地価高額地点は、東京都港区の住宅街にある地点の『赤坂1-14-11』で1㎡あたり512万円(1692万円/坪)で、上昇率が高いのは『渋谷区恵比須西2-20-7』だった。
三大都市圏(東京・大阪・名古屋)の住宅地の平均価格は、高級住宅地でも知られる『番町』がある千代田区が279万1400円(922万円/坪)。
大阪は難波や心斎橋からも近い西区が74万2000円(245万円/坪)。
名古屋は中心地の栄がある中区が104万5000円(345万円/坪)だった。
知らんけど。
《全国の商業地の地価最高地点》
〔順位〕1位 〔地点〕東京都中央区銀座4-5-6 〔1㎡あたりの地価〕5380万円(1億7785万円/坪)
〔順位〕2位 〔地点〕東京都中央区銀座5-4-3 〔1㎡あたりの地価〕4600万円(1億5206万円/坪)
〔順位〕3位 〔地点〕東京都中央区銀座2-6-7 〔1㎡あたりの地価〕3950万円(1億3057万円/坪)
〔順位〕4位 〔地点〕東京都中央区銀座7-9-19 〔1㎡あたりの地価〕3860万円(1億2760万円/坪)
〔順位〕5位 〔地点〕東京都千代田区丸の内2-4-1 〔1㎡あたりの地価〕3670万円(1億2132万円/坪)
〔順位〕6位 〔地点〕東京都新宿区新宿3-24-1 〔1㎡あたりの地価〕3660万円(1億2099万円/坪)
〔順位〕7位 〔地点〕東京都新宿区新宿3-30-11 〔1㎡あたりの地価〕3500万円(1億1570万円/坪)
〔順位〕8位 〔地点〕東京都千代田区大手町2-2-1 〔1㎡あたりの地価〕2880万円(9520万円/坪)
〔順位〕9位 〔地点〕東京都中央区銀座4-2-15 〔1㎡あたりの地価〕2860万円(9454万円/坪)
〔順位〕10位 〔地点〕東京都中央区銀座6-8-3 〔1㎡あたりの地価〕2850万円(9421万円/坪)
〔順位〕10位 〔地点〕東京都渋谷区宇田川町23-3 〔1㎡あたりの地価〕2850万円(9421万円/坪)
《全国の住宅地の地価最高地点》
〔順位〕1位 〔地点〕東京都港区赤坂1-14-11 〔1㎡あたりの地価〕512万円(1692万円/坪)
〔順位〕2位 〔地点〕東京都千代田区六番町6番1外 〔1㎡あたりの地価〕428万円(1414万円/坪)
〔順位〕3位 〔地点〕東京都港区白金台3-16-10 〔1㎡あたりの地価〕399万円(1319万円/坪)
〔順位〕4位 〔地点〕東京都港区南麻布4-9-34 〔1㎡あたりの地価〕375万円(1239万円/坪)
〔順位〕5位 〔地点〕東京都港区南麻布1-5-11 〔1㎡あたりの地価〕339万円(1120万円/坪)
【俺の経済新聞 2023年3月23日】
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