■実録、老朽マンションの現実【第3章-その3】

“漏水調査作業”は脚立を組み、外壁の細かな塗装部分のクラック(ヒビ割れ)を剥がし、窓周辺と換気扇のシーリング切れも取除く。

その箇所に防水処置とシーリングを施す。

第1弾の作業はここで終わり、1ヶ月間放置して大雨が降った時に漏水しないか確認する。

運よく1週間後に強風のゲリラ豪雨があり、漏水住戸の区分所有者と部屋内を確認した。

そしたら漏水は発生していなかった。

“漏水作業”は大成功である。

そして“原状回復”させるため第2弾として、“漏水調査作業”で実施した防水処置とシーリングの上から塗装して完了である。

とりあえずは漏水は一時的には止まった。

ただ、第1章でも記述した通り、川沿いに建つ『大阪のマンション』は地盤沈下している恐れがある。

また、数年後には外壁にクラック(ヒビ割れ)が入り漏水するであろう。

最後に漏水住戸の区分所有者と雑談をしていた時、『今後使う予定のない空き家なら、漏水していない今のうちに売却した方が良い。』と助言した。

また漏水し始めれば売買契約の重要事項説明で『漏水の事実』を説明しなければならず、査定価格に響くし、事実上、個人には売却できなくなる。

漏水住戸の区分所有者から『誰か購入してくれる不動産会社を紹介して欲しい。』と依頼されたので、とりあえず中古マンション買取を専門にしている大阪梅田にある胡散臭い不動産会社を紹介しておいた。

結果、この住戸はその不動産会社が購入する事になり、内装を解体したフルリノベーション工事を実施し再販売する事となった。

まぁ、その不動産会社の担当者に、『大阪のマンション』に地盤沈下の疑いがあるとは口が裂けても言えなかったが。

※画像はイメージであり本文とは関係ありません。

■マンション管理士事務所ループデザイン■

マンションに関するご相談はループデザインにお任せください。

メール相談は無料です。

【メールアドレス】
open.closet@gmail.com

■マンションコンサルティングオフィス ループデザイン
http://loopdesign.web.fc2.com/