■実録、老朽マンションの現実【第2章-その2】
漏水が発生している住戸の区分所有者は、大規模修繕工事に不備があると指摘している。
この『大阪のマンション』は5年程前に大規模修繕工事を実施し、1年も経たないうちに漏水が発生したとの事。
『大阪のマンション』の管理組合は大規模修繕工事を実施するにあたり“設計監理方式”を採用している。
“設計監理方式”とは、管理組合は設計監理事務所などに工事箇所や見積試算、工事現場監理などを委託し、大規模修繕工事を建設会社に依頼する。
こうする事で大規模修繕工事の監理と施工が別々のためチェック機能が働く。
実名を記載すると支障があるため建築設計事務所を『大阪1級建築士事務所』とし、建設会社を『大阪技建』、そして管理会社は『大阪コミュニティ』としよう。
まず、大規模修繕工事の設計監理を受託した『大阪1級建築士事務所』は、外壁のクラック(ヒビ割れ)や住戸の漏水対応に対して逃げて回っている。
まあ、『受託代金を受け取れば、後は知らん顔。』の設計監理事務所はこんなもんだろう。
途中で辞めてしまったが管理会社『大阪コミュニティ』のフロント(担当者)も『漏水ではなく結露です。』や『上階のベランダの排水口からの漏水。』などとトンチンカンな事を語って、結局、辞めて消えてしまった。
一番、頼りになったのが大規模修繕工事を実施した『大阪技建』の担当者だ。
親身になって対応してくれた。
では早速、漏水調査をする事になる。
まず、管理会社『大阪コミュニティ』のフロント(担当者)が主張する『上階のベランダの排水口からの漏水。』も可能性としては無い訳ではないため、そこから調査する。
上階の区分所有者の協力を得てベランダの排水口に散水し、下階の漏水箇所で水が漏れてくるか確認するため待機する。
結果、いくら待っても水は漏れてこない。
不発かっ!
ただ、管理会社『大阪コミュニティ』のフロント(担当者)は『前にも別の住戸で排水口の鋳物が割れて漏水したから、今回も同じ箇所が原因だ。』と主張する。
そのため、管理組合は大がかりな補修工事をする羽目になった。
※画像はイメージであり本文とは関係ありません。
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