■住友林業、海外で木造オフィスビル
住友林業がアメリカやヨーロッパ、オーストラリアを含め海外の木造オフィスビル開発に3年で3000億円を投じる。
オフィスビルはこれまではコストや品質が重視されていたが、“カーボンゼロ時代”を睨み脱炭素の技術によりオフィスビル市場も変化している。
住友林業はアメリカのテキサス州ダラスで飯野海運、熊谷組と共同企業体(JV)、アメリカ不動産会社のクロウホールディングスが設立した特別目的会社(SPC)と木造ハイブリッド構造のオフィスビルを開発する。
高さ29m、延べ床面積2万2000㎡の大規模建築物で、1階が鉄筋コンクリート造、2階~7階が木造主体のハイブリッド構造となり、2023年10月の竣工予定、総事業費2200万ドル(160億円)となる。
アメリカではジョージア州アトランタでも木造オフィスビルを開発する。
2022年に住宅・不動産事業を進出したヨーロッパでは、イギリスのロンドンでオール木材の木造オフィスビルを開発する。
オーストラリアのメルボルンではNTT都市開発やアメリカの不動産会社と木造ハイブリッド構造のオフィスビルを計画している。
国連環境計画で建設産業の脱炭素に取組む国際的な連携の枠組みによると、鉄骨やコンクリートなどの建材製造や建物施工から生じる温暖化ガス排出量は世界全体の1割を占める。
海外ではヨーロッパを中心に不動産・建設産業への環境規制を打出ほか、不動産売買する投資家からも建物の環境性能への要求が高まっており、ビル開発で生じる温暖化ガス排出量の削減要求は強い。
木材を接着や圧縮してコンクリート並みの強度を実現した集成材を使い、製造時に二酸化炭素(CO2)が大量排出される鉄骨やセメントの使用量を減らす。
建材調達から使用、解体までのライフサイクル全体の温暖化ガス排出量を鉄筋コンクリート造と比べ2割減らせる。
オール木材の木造は鉄骨造より建設費用が3割高くなるが、鉄骨造や鉄筋コンクリート造を組合せたハイブリッド構造を中心に温暖化ガス排出量を削減する。
ノルウェーで建設されたオール木材の木造は、高さ85mの18階建ての複合ビルが最高階となっている。
オーストラリアのシドニーでは高さ182mのハイブリッド構造のオフィスビルが計画され、建築は大林組が受注した。
アメリカではデベロッパーや不動産会社のハインズやエンデバーが、テキサス州やテネシー州で大規模木造ビルを開発する。
海外の不動産開発は日本よりも環境規制が厳しく、不動産投資は環境性能が重視されており投資家の関心も高い。
日本では耐震・耐火性能や建築コストから高層ビルの木造化が進まなかったが、脱炭素実現に向けて法整備や技術開発が進んでいる。
『建築基準法』の改正で2019年から耐火構造の要件緩和され、4階建て以上の中高層ビルも木造で建築できるようになった。
2021年には『木材利用促進法』の改正で、公共建築物だけでなく民間建築物も木材利用が促された。
施主の環境意識に対応すべく林業や建材メーカーを始めゼネコンやパワービルダーが、耐火性能や強度を高めた建材を開発し、技術的に高層ビルの木造が可能となっている。
東京海上ホールディングスは、老朽化したビル建替に伴い2028年に竣工予定の本社ビルを高さ100mの木造ハイブリッド構造のオフィスビルにする。
三井不動産と竹中工務店は日本橋で、高さ70m、17階建ての木造ハイブリッド構造のオフィスビルを計画している。
知らんけど。
【俺の経済新聞 2022年12月26日】
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