■問題ありの機械式立体駐車場【その2】
空き駐車場が多く赤字会計だが、車離れで利用者が見込めない中での機械式立体駐車場の更新工事。
古い施設や設備の耐用年数が超え、新しく機械式立体駐車場を入れ替えるというものです。
機械式立体駐車場の規模や仕様にもよりますが、1パレットあたり約200万円程度が目安です。
10台停めれる機械式立体駐車場なら更新工事は2000万円かかります。
ただでさえマンションには数千万円規模のエレベーター更新工事や給水管・排水管更新工事など必要不可欠で重要な修繕工事が控えています。
限られた修繕積立金総額から、利用見込みのない機械式立体駐車場にまわすお金などありません。
そこで考えられるのが、古い機械式立体駐車場を撤去して、ピットを埋め戻し平面駐車場にする事です。
この駐車場撤去工事費用もまちまちですが、更新工事の半分程度ではないでしょうか。
しかも、機械式立体駐車場の撤去後の平面駐車場は、基本的にメンテナンス費用が不要になります。
管理組合の会計負担は軽減されます。
ただ、この良いこと尽くめの機械式立体駐車場撤去ですが、これがなかなか前に進まない。
まず、駐車場利用者から反対されます。
平面駐車場が残るとはいえ、単純に10台停めれた2段式の機械式立体駐車場を撤去すれば、平面駐車場には5台しか停めれません
駐車場利用者が6台以上あれば、その何台かはあぶれる事になり、近所の月極め駐車場を借りる事になります。
マンション敷地内の近くて便利な専用駐車場から、少しでも歩いて近隣の駐車場に行く事に抵抗感を見せる居住者もいます。
『現状で近隣駐車場を借りている居住者は、優先的にマンションの駐車場を借りるべきだ。』と言う居住者もいます。
ただ、25年程前の機械式立体駐車場は、当時の規格になっており、5ナンバーサイズの車しか停めれない場合が多い。
その間、車のサイズは大型化し、3ナンバーサイズやワンボックスタイプなどは規格外で停めることができない。
このような車の事情で空き駐車場が多くなった事もある。
管理組合の総会や理事会の議題で“機械式立体駐車場の対応”を上程しても、大抵は継続審議になり先送りになる事が多い。
要はマンション管理に素人の区分所有者が、このような大きな問題を解決できる見検のある人がほぼ皆無である。
機械式立体駐車場の問題を抱えて、10年近くズルズルと引きずっている管理組合は意外と多い。
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