■プレサンスコーポレーション元社長、国賠償訴訟
学校法人の明浄学院の資金21億円を巡る業務上横領事件で逮捕され248日間の拘留後、大阪地方裁判所で無罪判決を受けたプレサンスコーポレーション元社長が国を相手取り、不当拘束、名誉棄損等で7億7000万円の損害賠償の訴訟を起こした。
今回の事件で業務上横領罪で有罪判決を受けたプレサンスコーポレーションの社員に対し、大阪地方検察庁特捜部による威圧的な取り調べで虚偽の供述させたという。
報道の問題点は、大阪地方検察庁特捜部による冤罪事件として取り上げられている。
がっしかし、視点を変えるとマンション開発会社のプレサンスコーポレーションという組織的な問題点が3つほど見え隠れしている。
〔1〕不透明取引でのマンション用地購入
明浄学院の理事長との金銭的なやり取りは知らなかった社長であったとしても、プレサンスコーポレーションの社員は関与している。
要は社員に騙された社長は、不透明な土地取引で代表取締役社長の決裁印を押したと言う事である。
マンション用地の数十億円規模の土地取引に関し、部下の不正を見抜けずにポンポンと決裁印を押していた社長。
他にも不正や不透明な土地取引があるのではと疑いたくなるプレサンスコーポレーションの組織的な企業統治のなさである。
プレサンスコーポレーションは10年程前に上場し公に株取引をしているため、その業務内容や決算内容は公開している。
数十億円規模の不正や不透明が見抜けないプレサンスコーポレーションの社内構造で、株式を上場していて大丈夫なのかという事である。
この事件の後、戸建て住宅販売を手掛けるオープンハウスの子会社になったが、東京証券取引所には上場している。
株取引をする投資家は、この程度の公開情報を信用して株を購入しているのであれば、産地偽装の食品を購入するようなもので、株式市場の信頼や信用にも直結する。
〔2〕使用者責任
明浄学院の大阪市阿倍野区文の里にある不正土地取引事件では、プレサンスコーポレーションの社員は関与し逮捕されている。
不正を社長は知らなくても社員は知りながら実行した犯罪者である。
ここで大きな疑問がある。
数十億円もの大金を動かすマンション用地の土地取引で、その内容を知らずして決裁印を押していた社長に、部下の不正に対する使用者責任はないのか?
十年程前に、これも大阪地方検察庁特捜部だったが、障害者郵便制度悪用事件で逮捕された厚生労働省の職員の上司も共犯で逮捕されたが、これも部下の不正は知らなかったとして無罪となった。
確かにその上司は知らなかったのかもしれないが、こんな大きな不正を見抜けなかった事に対しては問題視されていない。
毎日、部下の不正を知らずして、ノウノウと事務所のイスに座って業務をこなしていたのである。
一般的には上司は部下の業務内容を把握する監督責任みないなものがあり、要は使用者責任である。
2つの大きな事件の共通は、この使用者責任を問われていない。
ならば、ヤクザの親分が子分のしでかした不正行為に対しても、使用者責任を問えないのではないかとなる。
大阪地方裁判所では、『記憶にございません。』『覚えがありません。』という善意無過失の上司や親分に対しては無罪を言い渡してくれる可能性がある事例を作ってくれた事になる。
〔3〕企業広告看板の取扱
別途参照。
現状の疑問点はこれら以上である。
これらの事からも、元社長の無罪判決による国に対して損害賠償という話し所ではない問題点がプレサンスコーポレーションに隠れている。
それを解明するのか、そのまま棚の上に上げるのかは分からないが、少しのほころびが大きな穴に広がりかねない事を知らしめている事件である。
これは他人事ではなく、日々、何が正しいのか、誤ってはいないかと自問自答し、判断して決断する大切さを教えてくれる事件でもある。
知らんけど。
【俺の経済新聞 2022年6月13日】
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