■高齢者の終の棲家

長寿化により高齢者の新たな住宅問題が表面化している。

持家比率が高い高齢者は、住宅修繕費負担が増加し、長く生きると共に修繕工事回数も増えており、工事単価も10年間で2割上昇している。

総務省の調査では、世帯主年齢が60歳以上で2人以上暮らしの持家比率は、2021年度で90%超と、ほとんどの高齢者が現在の住居を終の棲家と考えている。

消費者物価指数は2020年度で全国を100とした場合、住居の外壁塗装や水回り工事など“工事、その他のサービス”の項目は、2021年度までの10年間で2割上昇し、この項目は戸建て住宅の工事費上昇も反映している。

修繕工事は15年~30年の周期で実施するが、長寿化により生涯を通じて工事回数が増えている。

分譲マンションでの修繕工事も同様で、原資となる修繕積立金の値上げが年金生活者の懐に直撃するため、高齢者が多いマンションの管理組合の総会で管理費・修繕積立金の値上げ議案は可決されにくい。

国土交通省が示すガイドラインでの平均値は小規模物件では1㎡あたり月335円だが、現状は200円~250円が多く100円近くの値上げをしなければならない。

分譲マンションにもよるが、70㎡の住戸なら修繕積立金は月額23450円が必要だが、14000円~17500円が一般的となっている。

賃貸アパートでも大家(家主)が高齢者への拒否感が強く、公的支援でも対応しきれなくなっている。

賃貸住宅の家賃は大幅値上げはないものの、民間賃貸は高齢者に対し入居審査で不可になる事が多い。

高齢者が入居すれば死去するまで住む事になり、孤独死や認知症など病気の発症で他の居住者とのトラブルを敬遠する大家(家主)が多く、7割近くが高齢者を拒否するという。

高齢者住居の介護施設もあるが、すぐに入居できるものではなく、施設のグレードにより費用もそれなりにかかる。

高齢化社会に住宅の対応しきれていないのが現状である。

京都市にある不動産会社のフラットエージェンシーは、高齢者と子育て世帯が一緒に暮らすシェアハウスを開発している。

共用スペースを充実させ交流を促し、高齢者や子供の見守りや孤独解消を目指している。

国の支援事業にも選定されている。

知らんけど。

【俺の経済新聞 2022年6月5日】

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