■分譲マンション、屋外看板のカラクリ【その6】

さらにこの屋外看板、3年に1回の安全点検等のため広告看板設置調査による継続申請が必要です。

屋外看板の規模にもよりますが大阪市では、1級建築士等の有資格者に依頼して安全点検を実施し、その申請費用に数十万円が必要となります。

この申請費用は誰が負担するのか?

当然に屋外看板を所有する管理組合がその義務を負います。

屋外看板の広告料の数百万円を無償にしているうえに、さらにその広告看板設置調査の安全点検による継続申請の費用の数十万円まで管理組合が負担する。

これだけを見れば、管理組合はよっぽどの気前の良さです。

ではなぜ、管理組合は得られるはずの果実を得ようとしないのか?

それはただ一言、何も知らない“素人集団”だからです。

“素人集団”は管理組合だけではありません。

広告看板設置調査の継続申請は、基本的にそのマンションの管理を受託している管理会社が代行しています。

その管理会社の部長クラスの社員にこの疑問を問い掛けた事があります。

『不動産会社の広告諸費用をなぜ1円の利益にもならない管理組合が負担しなければならないのか?』

そしたら管理会社の部長クラスの社員は自信満々でこう回答しました。

『管理規約で分譲する不動産会社の看板設置や広告活動は無償提供できるよう条文に規定しているので問題ない!』

標準管理規約・使用細則では、確かに分譲する不動産会社等が建物が竣工した後に現地看板等を無償で設置できる条文はあります。

ただし、それは販売する新築マンションが建物を竣工しても完売できず、売残住戸(クリアランス)を現地販売する際に設置する販売活動用の看板やのぼりの話しです。

売残住戸(クリアランス)が完売すれば、当然にその条文の効力は失効し、販売活動用の看板やのぼりも撤去します。

仮に、分譲した不動産会社の永続的な広告看板の設置に関する条文が盛り込まれていたとしても、それは管理組合にとって不利益な契約であり取消す事はできます。

この内容を管理会社の部長クラスの社員伝えると小声で本音をもらしました。

『仕事をくれる不動産会社とトラブルになるような事を声に出して口にする事はできない。』

マンションの管理会社に勤めている肩書の社員だからといって、マンション管理に精通した百戦錬磨の頼れる人とは限りません。

こんな損得勘定でしか動かないサラリーマンを多く雇用する“素人集団”のマンションの管理会社もあるという事を、管理組合も肝に銘じなければなりません。

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