■目指せ!建築士【建築計画】給水設備
給水設備に関する事項。
【ZE-431】
●解説
▼給水設備
▽用水
・建築物に使用される水は給水源の違いにより、上水(水道水)と井戸水(地下水)に区分される。
〔上水〕
・飲料用、洗面用、ボイラー用として用いられる。
・消毒され、不純物は少ない。
〔井水〕
・掃除用、便器洗浄用、冷房用として用いられる。
・水温は1年中15℃前後である。
〔井戸〕
・汲上げ揚程7.5mを境にして浅井戸、深井戸の区別がある。
▽給水方式
・給水方式には建物や建築用途、規模により分かれる。
▽使用水量
・建物の種類、規模が違うが1人あたりの1日平均給水量は下記の通りになる。
◆事務所ビル:100リットル~120リットル程度。
◆住宅:160リットル~250リットル程度。
▽給水配管
〔ウォーターハンマー〕
・弁などで水が流れを急に閉じると異常な圧力上昇が起き、振動や衝撃音が発生する。
・振動や衝撃音をウォーターハンマーと言う。
《防止法》
①:管内の流れを小さくする。
②:弁の開閉をゆっくり行う。
③:エアチャンバーを付ける。
〔クロスコネクション〕
・給水管と、それ以外の配管とが直接接続されること。
・断水時、給水管内に汚水を吸込む事がある。
〔バキュームブレーカー〕
・水の汚れ防止し、逆流防止のために設置する器具。
〔あふれ縁〕
・水が洗面器などの衛生器具の縁を越えてあふれ始める水平面のこと。
〔吐水口空間〕
・給水栓とあふれ縁との距離空間で、汚水が給水管へ逆流する事を防止する最も有効な方法。
〔受水槽〕
・建築躯体を利用してはならない。
・FRPが材料として用いられる。
・天井、底または周壁の保守点検を行えるようにする。
・内部の保守点検ができるマンホールを設ける。
《6面点検》
・水槽の天井、底、周壁の保守点検を容易にするよう設置し、人の動作によるスペースを確保する必要がある。
・天井:100cm以上
・底および周壁:60cm以上
〔給水管の埋設深さ〕
・一般:30cm以上
・車両道路:75cm以上
・重車両道:1m以上
・寒冷地では凍結度以上とする。
▼給水設備の概要
▽給水方式
〔水道直結方式〕
・水道本管の供給水圧により給水する方式。
・圧力の限界から2階~3階までの建物に用いられる。
〔高架タンク方式〕(高置タンク方式)
・高架タンク(高置タンク)を屋上などに設置し、重力により給水圧を得て各所に給水する方式。
・高架タンク(高置タンク)へは受水槽からポンプにより給水される。
・急激な圧力変動が少ない。
・停電時でもタンク容量分のみ使用可能。
・階数が高く落差があり過ぎると、水圧が必要以上に高くなる。
〔圧力タンク方式〕
・密閉された圧力タンクに、ポンプで水を圧送する事で、タンク内部が加圧され、その圧力で給水する方式。
・水栓の使用が込合う時間帯では、急激な圧力変動を起こしやすい。
・高架タンク方式(高置タンク方式)より維持管理に手間がかかる。
▽給水量、必要水圧
〔各種建物の給水量〕
・建築物の給水量は、建築物の種類、規模により異なる。
・1人、1日平均の使用水量は、建築物の種別や目的により変わる。
〔必要水圧〕
・各種器具の使用に応じて必要な圧力がある。
▽給水設備の留意事項
〔受水槽、高架水槽の洗浄維持〕
・受水槽や高架タンクの周囲には、漏水点検および清掃のため、周囲と床、または地面より60cm以上、上部は点検、清掃ハッチ(マンホール)が付くため100cm以上のスペースを確保する。
・上水用受水槽は、建物の躯体を利用してはならない。
・消火専用の受水槽は躯体の利用は可能。
〔クロスコネクション〕
・クロスコネクションとは、不純水が上水道配管中に混入する現象、または配管や装置を言う。
・上水以外の水の配管を、上水道配管に直接接続させてはならない。
・排水と給水管がつながっていると、逆流により汚染される可能性があり、これもクロスコネクションの1つである。
〔オーバーフロー管〕
・余分な水を排水する管で、排水の逆流による汚染防止、臭気、虫などのタンクへの侵入防止のための排水管を直結してはならない。
・間接排水とする。
〔間接排水処理〕
・水栓類は吐水口(とすいこう)から、流しや衛生器具水面まで空間(エアギャップ)を取る。
・その他、衛生に留意しなければならない器具などの排水は、排水管と直結しないで、いったん開放して排水受容器や受皿から排水管につなぐ。
▼給水設備の用語
〔井水〕
・地下水の事で、掃除用、消火栓用として用いる。
〔クロスコネクション〕
・給水配管中に汚水が侵入し、水が汚染される現象。
〔同時使用率〕
・給水器具で、同時に使われる器具の割合をいう。
〔エアチャンバー〕
・管内の圧力変動を吸収するために取付られる空気溜まりとなる配管部分。
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