■目指せ!建築士【建築計画】空調・冷暖房設備
空気調和設備に関する事項。
【ZE-421】
●解説
▼空気調和設備
▽空気調和の目的
・快適な室内環境を維持するため、空気を浄化し、温度、湿度や気流など、その室の使用目的に適した状態に調整する事をいう。
・室内の温度調節をする冷暖房設備とは異なる。
▽空気調和設備の構成
・空気調和を行うためにはシステムとしての装置が各種必要となる。
・空気調和機から調和空気を室内まで送る輸送装置としてのダクト、冷水や温水を送る配管が必要。
・各種の装備を組合せた系統全体を空気調和設備と言い、一般には空調設備と言う。
〔空気調和機〕
・冷房、暖房、換気のために送風する空気を適度な状態にする機構を設けた装置。
〔熱源装置〕
・空気を加熱冷却するための熱、冷熱を供給する装置として、ボイラー、冷凍機などの装置。
〔輸送装置〕
・調和空気を室内まで送るダクトおよび冷水、温水を送る配管。
〔自動制御装置〕
・一定に室内温度を保持するため、吹出された空気温度をコントロールする装置。
▽事務所ビルの空調
・一般に新鮮な外気を送風量の30%程度を取入れて還気に混入し、空気ろ過器で塵埃などを取除き、空気を浄化する。
・冷温水コイルで冷房時、冷凍機からの冷水で冷却、減湿を行う。
・暖房時はボイラーからの温水で加熱を行い、加湿器で加湿する。
・空気を送風機で室内に送る事で、室内の温度、湿度、気流を使用目的に適した状態にする。
▽空気調和方式の種類と特徴
・空気調和方式には様々な種類があり、その室や環境に適したシステムを導入する。
▽熱源装置など
〔ボイラー〕
・温水または上記を大量に沸かして貯めるタンク。
〔冷凍機〕
・5℃~7℃の冷水を作る機器。
・冷凍方式に蒸気圧縮方式と吸収式がある。
◆蒸気圧縮方式:冷媒液が蒸発して蒸気となるときに奪う潜熱により冷凍効果が出る方式。
◆吸収式:化学的な働きで冷却採用を行う方式。
〔クーリングタワー〕(冷却塔)
・送風機で送られた屋外空気の中に冷却水を噴霧させ、空気で水を冷やすもの。
・通常、外気が通り抜ける屋上など外部に設置される。
〔ヒートポンプ冷暖房装置〕
・冷凍機を冷却するだけでなく、反対に加熱にも利用する装置。
・水、空気より熱(冷熱)を汲上げ、熱や冷気を放出する。
・水の汲上用ポンプが、低所から高所へ揚水するのに似た働きがあり、この仕組を持つ装置をヒートポンプと言う。
〔ゾーニング〕
・部屋数が多い建物の空気調和設備は、ゾーン(区域)ごとに温度や湿度を調節する。
・空調のゾーニングは、用途別、時間別、熱負荷別などにより、空調系統をいくつかに分別する。
・建物の外部の影響を受ける外周部分のペリメーターゾーンと、負荷が一定している内部部分のインテリアゾーンと分けて別系統にする。
〔二酸化炭素〕
・空調設備での居室における二酸化炭素(CO2)の含有率は0.1%以下とする。
▼各種建築物の空気調和設備
▽空気調和の基本計画
〔空気調和の目的〕
①:建物全体の構成室の用途や規模などにより、空気調和の方式を決める。
②:各室の熱負荷を算定して、設備規模を決める。
③:配管や機器の配置、吹出口の位置、給気口や排気口の位置を決める。
〔ゾーニング〕
・エネルギー消費を効率的にするには、適した出力、容量の機器を選び、適切な位置に配置する事が重要。
・熱負荷別の区画、区分をゾーニングと言う。
①:室の方位および外周部と内部の区分
・日照、日射による熱負荷の違いによる区分で負荷の多い外周部はペリメーターゾーンと言い、内部はインテリアゾーンと言う。
②:室の用途の区分
・用途別とは、例えばホテルの客室とホール、病院の病室と待合、手術室などがある。
・使用目的による設定湿度の違いや収容人員、容積などが違えば熱負荷も大きく異なるので、これに対応するための区分。
・ゾーニングは、設備計画以外にも動線計画などのいわゆる設計のプランニングにおいても用いられる。
▽空気調和の方式
・機器の組合せにより、住宅同様のユニットを個別に置くものから、機械室の機器から温度や湿度調節された空気を各ゾーンに送るものまで、様々な方式がある。
(1)パッケージユニット方式
・負荷別などのゾーンごとにパッケージユニットを設ける。
・冷媒式の場合はヒートポンプなので、空冷式の室外機を置く。
・各ユニットごと、またはゾーンごとに外気取入口が必要。
(2)ファンコイルユニット方式
・各個室またはゾーンごとにユニットを設ける。
・ユニットは、住宅用エアコンの室内機と同じファンとコイルが内蔵されている。
・熱源は、機械室に冷凍機とボイラーを置き、パッケージユニット方式より大規模建築に適する方式。
・新鮮空気の供給は、機械室の換気設備よりダクトを通して行われる。
・病院やホテルに適用。
〔ダクト〕(風洞)
・ダクトの形は、長方形の方が天井内部に収めやすく、細長いほど天井高を得るのに有利である。
・断面形が丸形の物と、長方形の物を比較すると、同じ断面積でも送風抵抗は長方形の方が大きい。
・同じ送風量を得るには、長方形の断面積を大きくしなければならない。
(3)単一ダクト方式
・機械室で温度や湿度が調整された空気を、各室またはゾーンに同一系列のダクトで送風するもので、単一ダクト定風量方式とも言う。
・吹出口に可変風量ユニットを取付たものは、風量調整により温度管理を個別にでき、単一ダクト可変風量方式とも言う。
・大規模事務所や映画館、百貨店などの大空間に適用。
(4)二重ダクト方式
・機械室で作られた冷風と温風を、別系統のダクトで各室またはゾーンに送り吹出口の直前で混合ボックスのミキシングボックスを用いて混合する。
・吹出口ごとに温度調節が可能。
・ホテルのパブリックスペースや病院に適用。
▽空気調和の構成機器
〔空気調和機〕
・ダクト方式の空気調和設備に用いられる、放熱器兼送風機で機械室に置かれる。
・内部には冷房用放熱器(プレートフィンコイル)と暖房用放熱器、エアフィルター、加湿装置、送風機が組込れている。
・内蔵の冷房用放熱器(プレートフィンコイル)に冷凍機とボイラーなどの熱源がつながる。
・ファンコイルユニットや一般住宅用エアコンの室内機と異なる点は、外気の取入機能と加湿機能である。
〔冷却塔〕(クリーングタワー)
◆空冷式
・住宅用エアコンや小規模パッケージユニットの凝縮熱は、室外機の放熱器(プレートフィンコイル)とファンにより空気中に放出されるが、これを空冷式と言う。
◆水冷式
・空気調和機などを使う大規模なものは、冷却塔により凝縮器の凝縮熱を放出し、空冷式と異なり水を使うため水冷式と言う。
・冷却塔は水冷式になる。
・凝縮器で温度が上昇した水は、冷却塔内で滴下され、ファンにより温度が下げられて、再び凝縮器へ戻る。
・効率は空冷式より優れる。
・大型ファンの回転により騒音が発生するので、設置場所は留意する。
▼空調設備の建築用語
〔ファンコイルユニット〕
・空調方式の一種で、ホテルの個室などに使われる。
〔パッケージユニット〕
・冷凍機を自納した空調機の一種。
〔クーリングタワー〕
・冷却塔の事で、冷凍機の冷却水を作る機器。
〔ダンパー〕
・風量を調節する羽根状の器具。
〔ぺりメーターゾーン〕
・空気調和における建物の外周部分。
〔インテリアゾーン〕
・空気調和における建物の内周部分。
〔ゾーニング〕
・負荷により暖房と冷房の系統を分割すること。
〔空気線図〕
・湿り空気の特性を図示したもの。
【用語】
・還気(かんき)・・・空調の還り空気で、汚染したり還り空気に必要な新鮮な外気を取入れ混入する。
・ミキシングボックス・・・冷気と暖気など異なる温度の空気を混ぜて適温にする機器。
・滴下(てきか)・・・滴となって落ちること。
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