■目指せ!建築士【建築計画】公共施設

図書館の計画に関する事項。

【ZE-331】

●解説
▼図書館の計画
▽基本計画
・図書館は規模、性格により、中央図書館、地域分館、専門図書館に分けられる。
・職員などの管理動線と、利用者の動線を明確に分ける。
・成人と児童とは閲覧室を明確に分け、児童閲覧室は入口に近い位置に設ける。

▽図書の出納システム
〔自由開架式〕
・閲覧室と書架は同室内に置かれる。
・閲覧者は確認を受けずに自由に書架より本を取出し閲覧できる方式。
・小学校、分館などの小規模図書館に適する。

〔安全開架式〕
・閲覧室と書架の間には区切がある。
・閲覧者は書架より本を取出し、確認を受けた後に閲覧する方式。
・書物の亡失事故に対する安全性は自由開架式よりも高くなる。

〔半開架式〕
・閲覧者が自分で書架から本を取出さず、ガラスまたは金網越に書架の本の背表紙を見て、係員に取出してもらう方式。
・本の亡失、損耗に対しての安全性が高く、また、利用者は希望に合った本を確認できる。
・使い勝手の悪さなどから、半開架式を採用している図書館は少ない。

〔閉架式〕
・閲覧者は目録カードにいおり本を選び、書庫に収納されている本を係員に取出してもらう方式。
・大規模図書館、専門図書館などに適している。
・利用度の高い本を自由開架式とし、専門性の高い本を閉架式とする両方式を併用している図書館が最も多い。

▽閲覧室
・一般閲覧室、児童閲覧室、特別閲覧室、視聴覚資料室などに分類される。
・閲覧室の面積は1人あたり2㎡程度。

▽レファレンスルーム
・利用者の調査、研究などのために必要な図書について助言し、相談に応じてくれる。
・閲覧室、目録室、出納台(コントロールデスク)に隣接して設ける。
・小規模図書館ではレファレンスコーナーとして設けられる。

▽ブラウジングルーム
・雑誌などの軽い書物をくつろいだ雰囲気で読めるようにした場所。
・エントランスホールやロビーに配置する事が多い。
・小規模図書館ではブラウジングコーナーとして設けられる。

▽書庫
・開架式では1㎡につき170冊程度、閉架式では1㎡につき230冊程度の収蔵が可能であること。

▽キャレル
・書庫内に研究者などのために設ける席。

▽ブックモビル
・自動車による移動図書サービス。
・図書館から遠隔地の住民へのサービスとして、地域図書館の業務として設ける。

▼図書館
▽所要室
①:一般閲覧室
・他室への通路とならない位置に設け、採光は必要だが、直射光は差込まないようにする。

②:児童閲覧室
・他の閲覧室と区画するか、離れた所に設ける。
・1人あたり1.2㎡~1.5㎡の面積が必要。

③:視聴覚スペース
・CDやVTRなどのAVスペースまたはコーナー。

④:ブラウジングコーナー
・新聞や雑誌の閲覧コーナー。
・出入が多いため、他の閲覧室から離して設ける。
・一般的に図書館の出入口付近に設ける。

⑤:レファレンスルーム
・調査研究が目的の利用者に対して、参考図書や資料を教え、提供し、閲覧するスペース。

⑥:その他
・事務、管理として事務室、作業室、荷解室、書庫などがある。

▽図書の貸出システム
・貸出システムは出納方式とも言う。
・閲覧者が図書を探出して閲覧するまでの手続方法の事で、図書館の中心になる閲覧室の形や機能が決まる。

①:開架式
・閲覧者が書架より自由に本を取出し、検閲やチェックを受けずに閲覧する形式。
・閲覧者にとり自由度が高く、児童にも適する。
・問題として本の紛失が多い。
・地域住民が利用しやすいよう地域図書館や地域図書館の分館では、この方式が主体となる。

②:移動図書館
・地域図書館のサービスとして、図書を積んだ自動車のブックモビルによる館外貸出も行われる。

③:閉架式
・本は書庫に納められ、目録などにより本を選択し、貸出記録をして閲覧する形式。
・閲覧者は、書庫へ出入できない。
・貴重な書籍の出納に適する。
・閉架式の書庫は、利用者の研究などに対する資料の提供や助言を行うレファレンスサービスとの関係が深く、レファレンスルームの出納デスク近くに設ける。

【用語】
・レファレンス・・・物事を参考、照会すること。
・ブラウジング・・・情報を閲覧すること。
・キャレル・・・研究、個人学習のために設けられる個室または個席のこと。

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