■目指せ!建築士【建築計画】教育施設

学校の計画に関する事項。

【ZE-322】

●解説
▼学校の計画
▽敷地
・通学距離は、小学校は0.5km~1km、中学校は1km~2kmが目安となる。
・通学に便利な立地条件で、静かな周辺環境に位置する事が望ましい。

▽基本計画
・校舎は落着いた環境の中に位置させるためにも、運動場に直面しないように配置し、樹植などによる緩衝地帯を設ける。
・小学校、中学校の配置計画では、学年単位に教室をまとめる事が基本。
・小学校では、低学年と高学年では心身の発達差が著しいため、低学年ゾーンと高学年ゾーンの分離を図る。

▽学校の運営方式
〔総合教室型〕
・各学級は、各々のホームルームですべての学習を行う方式。
・小学校低学年に適する。

〔特別教室型〕
・普通教科は普通教室で、特別教科は特別教室で行う方式。
・普通教室と特別教室を組合せた教室、小学校中学年以上、中学校、高等学校に適する方式。
・日本で最も一般的。

〔教科教室型〕
・普通教室のない方式。
・教科の学習は、それぞれ専用の特別教室で行う。
・各教科の学習は充実するが、生徒の移動が著しく、専用のホームルームがない。
・大学などに多い方式。

〔プラツーン型〕
・教室を普通教室群と特別教室群とに分け、全学級も2つのグループに分ける。
・一方のグループが普通教室群を使用している間、他のグループは特別教室群を使用する。
・一定時間を境に交互に教室群を入替えて使用する方式。
・プラツーン型の方式は、教室の利用率を高くする事ができるが、時間割の編成が難しいため、実施例は少ない。
・中学校以上で採用している学校もある。

▽各室の計画
〔普通教室〕
・照度分布が均等で、強い影を生じないこと。
・音、色彩に対して、十分な配慮がされていること。
・教室の形は、様々な学習形態に対応できるように正方形に近いものが望ましい。
・教室の大きさは1.4㎡/人以上で、7m×9mの大きさが一般的。
・小学校は、特別教室は低学年でほとんど使用しないため、高学年の教室群の近くに配置する。
・特別教室は、各教科の関連性を考慮し、総合化を図るため準備室を中間に置き、まとめて配置する。
・音楽室は、遮音に留意し、できるだけ他の教室から離して配置する。

〔講堂、体育館〕
・講堂と体育館は、本来は別々に計画するが、諸般の事情から兼用する場合、年間を通じて利用頻度の高い体育館を主体として計画する。
・体育館は、運動場に近く配置すると共に、地域社会への開放も考慮して、出入口に近い位置に設ける。

〔管理諸室〕
・職員室は、談話、読書などができる休憩室的な性格とする。
・学級事情や教科の準備、研究などを行うための準備室を別に、教科教室に隣接して設ける。
・会議室、応接室、事務室は、職員室と校長室に近接させ、まとめて配置する事が望ましい。

▼学校
▽学校の運営方式
・学校を計画する場合、校舎の大きさや形をまず決める。
・校舎の大きさは、教室の数により決まるが、教室の数は運営方式で決まる。

〔運営方式〕
①:総合教室型
・幼稚園、小学校低学年などで、すべての学習活動をクラスルームで行う方式。
・生徒は移動しないで済む。
・各教室に作業スペースや収納、ロッカー、流し場が必要になる。

②:特別教室型
・小学校高学年から高等学校に多く見られる。
・学級数分のクラスルームの他に、理科、音楽、美術などの特別教科を特別教室で行う方式。
・学級数に特別教室が増えるので、教室の利用度が低くなる。

③:教科教室型
・高等学校以上で用いられる。
・各教科の学習を、各々の専用教室で行う方式。
・教室の利用度が高い。

④:学習センターによる運営方式
・一般教科を学習センターで行う方式。
・個々の生徒の能力に合わせた学習活動を行う。
・アメリカのオープンスクールで見られる。

▽配置計画
①:校舎等の配置
・校舎は東西に長く、北寄に配し、南側に運動場を配置する。
・学年ごとにまとめてブロック分けして配置する。
・高学年の普通教室と特別教室は近接させる。
・教員室は、登下校の生徒の出入り、および運動場が見える位置に設ける。

②:教室配置の列
〔片廊下型と中廊下型〕
・一般的な定型プラン。
・生活の場として単調になる。

〔クラスター型〕
・いくつかのまとまった教室群をブドウの房状に構成するプラン。
・学年ごとなどの独立性を高くでき、変化に富んだ空間にしやすい。

▽各部の計画
①:教室
・教室の面積は生徒1人あたり1.4㎡程度で、1教室の定員は40人が標準。
・教室の大きさは7m×9m程度。
・小学校、中学校、高等学校で教室の床面積が50㎡超の場合、天井高は3m以上。
・採光面積は床面積の1/5以上が必要。
・出入口は2ヶ所以上が必要で、安全上、引戸にする。

②:学校の廊下と階段
・廊下の幅員は片廊下で1.8m以上、中廊下で2.3m以上が必要。
・階段の寸法は小学校と中学校、高等学校で異なる。

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