■目指せ!建築士【建築計画】音の性質

音の性質、音の強さに関する事項。

【ZE-261】

●解説
▼音響
▽音の性質
・音の計画では2点について検討する。

①:不必要な音の騒音を遮る。
②:必要な音が良好に聞こえるようにする。

壁体や床などの音を遮断する性能を高めたり、室全体の吸音性能や、それに伴う音響効果を検討する。

(1)音の3要素
・音は空気の振動であり、波として表す事ができる。
・気圧の高い部分と、低い部分が交互に耳に伝わり音として感じる。
・この気圧の変化をグラフで表すと波形になる。

①:音の大きさ
・気圧の変化の差の大小が、音の大小となる。
・単位は音圧レベル。

②:音色
・波形で表す。
・様々な音の大きさや音の高さを持つ音が、複雑に重なり合ってできる。

③:音の高さ
・気圧の変化する速さで、グラフでは単位時間あたりの波の数が多い音ほど高い音になる。
・単位は周波数といい、1秒間の波の数の振動数で表し、Hz(ヘルツ)となる。

(2)音の単位
・音源から発する音のエネルギーと、それを受ける側で分けて考える。

①:音響パワー:音源の放出エネルギーで、単位はW(ワット)。
②:音の強さ:1㎡あたりの単位面積を通過する受音側の音エネルギーで、単位はI=W/㎡。
③:音圧:大気圧からの音による気圧変化。

・これらの基本単位を人間の可聴域の1倍~10【12】倍について計算すると、数値が大きくなり過ぎる。
・この大きな数値を圧縮した値がdB(デシベル)の単位で、音響では一般に用いる。
・dB(デシベル)で表示した値を、それぞれのレベルという。

①:音響パワーレベル。
②:音の強さのレベル。
③:音圧レベル。

(3)音の単位〔dB〕の計算
・音の単位のdBは圧縮したレベル表示なので、2つ以上の音がある場合、その合成されたものは単純に足し算にはならない。

《デシベル値の考え方》
1:同一のデシベル値を持つ音が2つ加わると、音のエネルギーは2倍になる。
2:これをデシベル表示値に直すと3dBだけ大きくなる。
3:同様に4つの音となれば、音のエネルギーは4倍になる。
4:デシベル表示値は+6dBとなる。
5:60dBの音が2つ加わった場合は63dB。
6:40dBの音が2つ加わった場合は43dB。

(4)距離と音のレベル関係
・点音源からの距離が2倍になると、音の拡散する面積が4倍になる。
・音のエネルギーは1/4になり、6dB小さくなる。
・音の強さは、点音源からの距離の2乗に反比例する事が、音の拡散する面積を考えると分かる。

▼音の性質、音の強さ
▽音の性質
〔音の伝播〕
・音の発生源の振動は、縦波として音の伝播する方向へ、空気の高い圧と低い圧の繰り返し、振動として伝わる。
・空気中の音の伝播速度Vは、気温により影響を受け下記の式になる。

V〔m/s〕=332+0.6t

t:気温〔℃〕

〔音の周波数〕
・音波の1秒間あたりの振動数の周波数により、人の聴覚では音の高低を感じる。
・周波数の単位はHz(ヘルツ)。
・聴覚上は20Hz~20000Hzの音域の音を知覚する事ができる。

〔音の強さ、音の大きさ〕
・音の物理的な大小の通りに人間の聴覚により、そのままの音の大小として聞こえる訳ではない。
・音の物理的な大小を音の強さといい、人間の聴覚では2000Hz~5000Hzの音に対して最も敏感に感じる。

▽音の強さの諸単位
〔音の強さ〕
・音源から1秒間に音波として放射されるエネルギーを音響出力という。
・音響出力の単位はW(ワット)。
・音の強さは1㎡あたりに放射される音響出力で表し、単位はW/㎡。

〔パワーレベル〕
・音圧は計測しやすい利点がある。
・パワーレベル〔PWL〕は、ある音の音圧P〔Pa〕を基準音の音圧P【0】(2-10【5】Pa)で除した値の常用対数を10倍したもの。
・単位はdB(デシベル)。

PWL=10log【10】(P/P【0】)

P【0】:基準音の音圧(2-10【5】Pa)
P:任意の音圧〔Pa〕

〔音の強さのレベル〕
・ある音響出力の音I〔W/㎡〕を基準の音響出力の音I【0】〔10【-12】W/㎡〕で除した値の常用対数を10倍したもの。
・単位はdB(デシベル)。
・パワーレベルと音の強さのレベルは同レベルである。

音の強さのレベル=10log【10】(I/I【0】)〔dB〕

I【0】:基準の強さの音〔10【-12】W/㎡〕
I:任意の強さの音〔W/㎡〕

〔2つの音の合成〕
・音の強さのレベルは、対数表示となっている。
・同じ強さの音が2つあった場合、合成された音の強さのレベルは、元の値の2倍とはならない。
・同じ強さの音が2つあった場合、元の値には関係なく、音の強さのレベルは3dBだけ大きくなる。

10log【10】〔(2×I)/I【0】〕
=10log【10】2×(I/I【0】)
=10log【10】2+10log【10】(I/I【0】)
=10×0.3+10log【10】(I/I【0】)
=3+10log【10】(I/I【0】)

・音の強さのレベルの差が10dB以上ある場合は、小さい方の音は無視できる。

〔距離と音の強さのレベル〕
・点音源から発する音の強さは、音源からの距離の2乗に反比例して小さくなる。
・音源からの距離が1/2になると、音の強さは4倍になる。
・音の強さのレベルは3dB+3dB-6dBだけ大きくなる。
・音源からの距離が2倍になると、音の強さのレベルは6dB小さくなる。

《音に関する単位》
◆周波数の単位:Hz(ヘルツ)。
◆音響出力の単位:W(ワット)。
◆音の強さの単位:W/㎡。
◆パワーレベルの単位:dB(デシベル)。

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