■目指せ!建築士【建築計画】色彩
色彩計画に関する事項。
【ZE-253】
●解説
▼色彩計画
▽色彩の心理的効果
(1)色の感覚
◇暖色
・赤、橙、黄などは暖かく感じる。
◇寒色
・青、青緑、青紫などは冷たく感じる。
◇進出色
・白や明度、彩度の高い暖色系は、実際より近づいて見える。
◇後退色
・黒や明度、彩度の低い寒色系は、実際より遠くに見える。
◇膨張色
・明度、彩度の高い色は、実際より大きく見える。
◇収縮色
・明度、彩度の低い色は、実際より小さく見える。
◇その他
・明度の低い色は重く見え、高い色は軽く見える。
(2)対比効果
・隣に合わせる色彩により、色相が少し変わって見えたり、互いに色を強調し合ったりする事を対比効果という。
《主な例》
・赤系は色の中に黄色を入れると、黄色が少し緑がかって見える。
・黒色の中に灰色を入れると、元の灰色より少し明るく見える。
・色の面積が大きくなると、明度、彩度共に高く見え、それを面積効果という。
▽色彩調節
(1)色彩調節の目的
・色の持つ心理的、生理的、物理的性質を利用して、建築の環境の保安、衛生、快適性、能率向上などに役立たせる。
(2)建築の色彩
・暖色が多く使われ、暖色は室内に落ち着きをもたらす。
・明度の高い色が多く、室が明るくなる。
・無彩色や低彩色の色が多く、落ち着きを感じる。
(3)実例
①:病院の手術室
〔赤色の補色〕
・薄い青緑を使う。
・精神安定を図り、眼の疲れを和らげ、清潔な状態を保つ上でも効果がある。
〔工場〕
・工場内の作業の流れ、機械の配列や配管などを色分して明示する。
・管理や保守がしやすくなり、作業能率があがる。
〔小学校の教室〕
・床近くの明度を低く、天井に近いほど明度を高くし、暖色系を使う。
・精神の安定を図り、暖かい雰囲気になる。
▼色彩計画の概要
(1)色彩と心理
〔暖色、寒色〕
・赤、橙、黄橙、黄は暖かいと感じ暖色という。
・緑、青緑、青、青紫は寒いと感じ暖色という。
・黄緑、紫は暖色暖色に属さない中間色という。
〔膨張色、収縮色〕
・明るい色は実際の大きさよりも大きく見える膨張色という。
・暗い色は小さく見える収縮色という。
〔進出色、後退色〕
・暖色は実際よりも進出に見える進出色という。
・寒色は実際よりも後退して見える後退色という。
〔面積効果〕
・面積が大きくなると、明度、彩度は共に上がって見える。
〔明度対比〕
・明度の異なる色を並べると、明度の差が大きく見える。
〔彩度対比〕
・同色で彩度の異なる色を並べると、彩度の差が大きく見える。
〔補色対比〕
・補色の関係にある色を並べると、互いに彩度が増し、互いに鮮やかさを増すにように見える。
・マンセル色相環上で向合う色が補色の関係にある。
〔色相対比〕
・色相の異なる色を並べると、互いに補色となる色相に近づくように見える。
(2)色彩調節
・色彩に対する心理的効果を考えて、快適で安全な環境を作るために、色の選択、配色などを計画する事を色彩調節という。
・カラーコンディショニングともいう。
(3)色彩計画
・建築の色彩は、一般的に明度が高く、彩度の低い色が多く使われる。
・北側にある部屋の壁の色は、暖色系の色が使われる傾向がある。
・病院の手術室では、血液による汚染を目立たせるために赤の補色である青緑を用いる事が多い。
・工場などは、黄と黒の縞模様として目立ちやすくし、危険防止の標識としている。
・赤は危険、緑は安全、救護の標識として一般的に用いられている。
【用語】
・補色・・・マンセル色相環において、相対する2色のこと。
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