■目指せ!建築士【建築計画】熱・湿度・室内気候
結露に関する事項。
【ZE-223】
●解説
▼結露
▽飽和空気と露点温度
・ある温度の空気が、これ以上、水蒸気を含む事のできない飽和状態のときの空気を飽和空気という。
・飽和状態の空気に含まれる水蒸気量は、空気の温度により変化し、乾球温度が低くなるほど少なくなる。
・ある湿り空気の温度を下げていくと飽和状態に達し、含まれている水蒸気の一部が凝縮して水滴となり結露する。
・この時の温度を露点温度という。
▽結露
・室内の暖かい湿り空気が、冷たい壁などに触れて、その空気の温度が下がり、露点に達すると飽和空気状態になり、壁などの表面に水滴を生じる。
・この現象を結露という。
・結露は、相対温度が100%となる状態。
▽結露の防止
・水蒸気量を少なくして絶対湿度を下げること。
・空気の流れを良くして、家具裏などに空気がよどむのを避ける。
・壁などに断熱材を張るなど、壁の熱貫流率を下げて、壁面に結露が生じないようにする。
・断熱材の内部にまで、湿り空気が浸透すると、断熱材と壁体の接点で結露が生じる内部結露になるため、室内側の断熱性表面は防湿性のものとする。
・窓サッシなどの熱伝導率の高い部分から熱が伝播するヒートブリッジ(熱橋)になり、この部分の表面温度が下がって結露を生じる事がある。
・断熱サッシを使用する事などにより、熱貫流率を下げる。
▼結露の湿度の関係
▽結露とは
・夏にコップに冷えた飲み物を注ぐと、コップの周囲に水滴が付くが、これは空気中の水蒸気が冷やされ露になる現象で結露という。
・建物の結露は、冬季に北側など外気に面した壁体の室内面や押入の内面など、壁体表面の温度が低く、また換気が十分に行われていない部分に発生する。
▽結露の原因
・空気が含む事のできる水蒸気量には限界があり、温度の高い空気ほど、その限度量が多い。
・ある温度の空気が最大限の水蒸気を含んでいるとき、その空気の温度を少しでも下げると、水蒸気は露となり周囲の物に付着し結露となる。
・逆に、ある量の水蒸気を含む空気の温度を下げていけば、いつかは、その空気が含める最大の水蒸気量となり結露する。
・この時の空気の温度を露点といい、ある温度の空気が含める最大の水蒸気量を飽和水蒸気量という。
◆相対湿度(%)
・相対温度は、ある空気の空気中の水蒸気量と、同気温において、その空気が含みうる最大限の水蒸気量の飽和水蒸気量との割合を示したもの。
相対温度=(空気中の水蒸気量/飽和水蒸気量)×100(%)
◆絶対湿度(kg/kg’、kg/kg〔DA〕)
・乾燥空気1kgと共存している水蒸気の重量。
・相対湿度と絶対湿度、温度との関係を表したグラフを空気線図という。
▽結露の生じやすい場所
・建物の結露被害のほとんどが冬に発生する。
《冬季に結露が生じやすい部分》
①:窓ガラス面・・・カーテンはガラス面付近の空気が更に冷やされるため結露を促進させる。
②:外壁コーナー〔隅角部分〕・・・外気で冷やされる面積が多いため結露する。
③:押入・・・温度が低い所に湿った空気が入るため結露しやすく、特に外壁に面していると更に結露しやすい。
④:家具の裏側・・・湿った空気が裏側に溜まって冷やされ結露する。
▽結露の防止方法
①:壁の熱貫流率を小さくする。
・対策:壁の断熱性を高め、壁の表面温度を下げないようにする。
②:室内温度を下げる。
・対策:温度が高くならないように、水蒸気の発生を防ぎ、換気を行い除湿する。
③:壁面の仕上に水分を吸収するものを用いる。
④:タンスなどの家具や押入を外壁面に設置しない。
▽内部結露の防止方法
・冬季の外壁の内部結露は、室内の高温高湿の空気が壁体内部に侵入し、低温の材料に触れて結露する現象。
・内部結露が生じると、壁内部の断熱材が濡れて断熱性能が悪くなったり、木材が腐る原因にもなる。
・対策:防湿層を壁内の室内側の高温高湿側に施工し、湿気が壁体内部に入らないようにする。
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