■目指せ!建築士【建築計画】熱・湿度・室内気候

熱に関する事項。

【ZE-221】

●解説
▼熱
▽室内の気温
・室内の気温は、外気の影響を受けやすい。
・壁体や隙間からの熱の移動が多いと、夏季に多量の熱が室内に流入したり、冬季に室内の夏が外部に流出しやすい。
・室内気温は高過ぎたり、低過ぎたりするため、冷房効果や暖房効果が悪くなる。

◆熱伝導
・材料の内部を、温度の高い方から低い方へ、熱が移動うする事を熱伝導という。

◇熱伝導率:λ 単位:W/(m・K)
・材料に固有の熱の伝わりやすさを示す値。
・逆数を熱伝導比抵抗という。
・材料の厚さ〔m〕を乗じたものを熱伝導抵抗という。

◆熱伝達
・気体から材料へ、材料から気体へ熱が伝わる現象をいう。

◇熱伝達率:α 単位:W/(㎡・K)
・気体と材料との間の熱の伝わりやすさを示す値。
・材料の表面に凹凸があり表面積が大きく、また、気体の動きが大きいほど大きな値になる。
・熱伝達率の逆数を熱伝達抵抗という。

◆熱貫流
・壁などの材料のいる一方の気体から材料を通して、反対側の気体に熱が伝わる事をいう。
・熱貫流は熱伝導と熱伝達の2つの現象からなる。

◇熱貫流率:K 単位:W/(㎡・K)
・壁体などの両側の気体の熱の伝わり方を表す値。
・単位時間に単位面積を通して単位温度差があるときに流れる熱量をいう。

◇熱貫流量
・熱貫流率K、高温度気温t1〔℃〕、低温度気温t2〔℃〕、壁面積A〔㎡〕のとき、1時間に流れる熱量qは下記の式になる。

q=K・(t1-t2)・A〔W/(㎡・K)〕

・熱貫流率の逆数を熱貫流抵抗という。
・複合化された壁体の熱貫流抵抗は下記の式になる。

〔1/熱貫流率〕=熱貫流抵抗=壁体の外側の表面の熱伝達抵抗+壁体各層の熱伝導抵抗+壁体の室内側の表面の熱伝達抵抗

・空気層が材料と材料の間にある中空壁では、上記の式に、空気層熱抵抗も加える。
・空気層の厚みは、20mm程度までは厚みが増やせば熱抵抗は増大するが、それ以上、厚くしても対流により熱が伝播するため、熱抵抗はほとんど増加しない。

▼熱の伝わり方
▽伝熱の基本
・熱の伝わり方は、熱伝導、対流、放射(輻射)の3種類がある。

①:熱伝導
・熱伝導は、物体の中を熱が伝わる事。
・重く密度の大きい物で単位体積あたり大きいほど熱が伝わりやすい。

②:対流
・対流は、水や空気のように循環により熱が伝わる事。
・後ろに反射板のない対流式ストーブは、この原理を利用して室内を暖めるもの。

③:放射(輻射)
・放射(輻射)を利用したものは、反射式電熱ヒーターがある。
・反射板は放射エネルギーが鏡面や白色面で反射する性質を利用したもの。

▽熱貫流
・壁体の両側に温度差があると、高温側から低温側へ熱が流れる。
・空気から壁表面へ、壁表面から空気へと、主に熱対流と熱放射により熱が伝わる
・この熱の伝わり方を熱伝達といい、壁体内では熱伝導により熱が移動する。

《熱貫流:熱の流れ》
熱伝達 ⇒ 熱伝導 ⇒ 熱伝達

①:熱伝導率
・熱伝導は、材料内の熱の伝わりやすさを示す割合の熱伝導率で表す。
・この値が大きいほど、熱を伝えやすい。
・単位は、W/(m・K)〔kcal/(m・h・℃)〕。

②:熱伝達率
・熱伝達は、材料の表面と空気の間で授受される熱量の割合である熱伝達率で表す。
・熱伝達率は、材料表面と空気の温度差が1℃のとき、材料表面1㎡あたりに1時間でどれだけの熱量が伝わるかを示す。
・この値が大きいほど、熱は伝わりやすい。
・単位は、W/(㎡・K)〔kcal/(㎡・h・℃)〕。

・熱伝達抵抗は、熱伝達率の逆数で表す。
・この値が大きいほど、熱は伝わりにくい。
・単位は(㎡・K)/W〔(㎡・h・℃)/kcal〕。

③:熱貫流率
・壁体内の熱伝導と、表面での熱伝達を含む壁全体の1時間あたりの伝熱量を熱貫流量という。
・1㎡あたりの伝熱量の割合を熱貫流率という。
・この値が小さいほど、熱が伝わりにくい。
・単位は、W/(㎡・K)〔kcal/(㎡・h・℃)〕。
・この単位のWは〔kcal/h〕に置換る事ができる。

▼断熱
・断熱は、熱貫流量を少なくすること。
・建築では、外壁などの熱抵抗を大きくする事が重要。

▽材料の熱伝導
・熱伝導率は、同じ体積では、重いほど大きく熱が伝わりやすい。
・金属は、最も熱を伝えやすい。
・建築の構造材は、木材が一番、熱伝導率が小さく、畳と比べても大差ない。
・コンクリートは、より重いガラスよりも熱を伝えやすいため、外壁の場合、断熱処理が必要となる。

▽空気層の熱抵抗
・空気層は、その分の熱伝達抵抗が増えるため、断熱効果が期待できる。
・木造の軸組工法などの在来工法の外壁のように、空気層が密閉状態にできない場合、空気層による冬季の断熱効果は期待できない。
・夏は放射熱を遮る事ができるため、多少効果はある。

〔密閉状態〕
・空気層が密閉状態であれば、3cm~5cm程度の空気層の厚みまで熱抵抗は増加するが、それ以上の厚さでは内部で対流が起きてかえって熱抵抗は減少する。

〔アルミ箔〕
・空気層にアルミ箔を設けると、放射を反射する性質により、さらに断熱効果が期待できる。

▽木造の外壁断熱
・断熱材の断熱効果は、空気層を設けるよりも大きいため、一般に外壁には断熱材が使用される。
・在来工法の木造の場合、密閉空気層ができないため、そのままでは内装材の熱抵抗だけとなり、断熱材を必ず入れる。
・断熱材の位置は内装材に密着させ空気層は外側になるようにする。

・断熱材は一般に、ロックウール、グラスウール、インシュレーターボードの植物繊維板、発泡スチロールや発泡ポリエチレンなどの発泡プラスチック製品などを用いる。
・グラスウールのような繊維系断熱材の断熱性能は、重く密度が大きい物の方が良い。
・軽く密度の小さい物は、内部の空気が流通しやすい。
・繊維系断熱材は、水を含みやすいが、水を含んだものは、水の熱伝導率に近づき、著しく断熱性能が悪くなる。

【用語】
・W/(m・K)・・・ワット/メートル・ケルビン、kcal(m・h・℃)で表示する事もあり、この場合、1kcal=1.162W。

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