■目指せ!建築士【建築構造】セメント・骨材・コンクリート

フレッシュコンクリートの性質に関する事項。

【ZE-423-3】

●解説
▼フレッシュコンクリートの性質
・ワーカビリティーは、コンクリートの施工性を表す。
・流動性があるほど、施工性は良くなるが、材料の分離を生じることなく、打込、締固、仕上などの作業が容易にできる程度とする。
・計画通りの強度、耐久性を得るためには、ワーカビリティーが良くなければならない。

(1)スランプ値
・スランプ値は、高さ30cmのスランプコーンに3回に分けてコンクリートを詰め、各層25回ずつ突いた後、スランプコーンを引上げてコンクリート中央部における下がる量を測定した数値。
・ワーカビリティーを数値で示す方法の1つにスランプ値がある。

◆普通コンクリートのスランプ値の限界
・品質基準強度が33N/mm2以上の場合・・・21cm以下
・品質基準強度が33N/mm2未満の場合・・・18cm以下
・軽量コンクリートの場合・・・21cm以下

・スランプが過大な場合、コンクリートが分離しやすい。

(2)単位水量・単位セメント量
・コンクリートの流動性は単位水量、単位セメント量を増すとセメントペーストが多くなり流動性は改善される。
・多すぎるとコンクリートの分離、付着強度の低下、乾燥収縮を招き、コンクリートの耐久性などに影響を及ぼす。

(3)細骨材率
・骨材全体量に対する砂量の割合で、絶対容積比率。

細骨材率=〔細骨材の絶対容積/粗骨材の絶対容積+細骨材の絶対容積〕×100%

・砂利に比べ砂が少ない細骨材率が低すぎる場合、ガサガサのコンクリートになり、粗骨材とモルタル分が分離しやすい。
・モルタルに近い砂利に比べて砂が多い細骨材率が高すぎる場合、流動性が悪くなるので、セメントペーストが多くなりやすく、その結果、乾燥収縮を招く。

(4)空気量・分離・ブリージング
◆空気量
・空気量が多くなると、強度など低下、流動性は良くなり、コンクリートの凍結融解に対する抵抗性を増す。

◆分離
・フレッシュコンクリートは比重や大きさの異なる材料が混ざった状態なので、各材料は分離しやすい。
・一般にペーストはセメントと水に、また、ペーストと骨材は互いに分離しやすい。

◆ブリージング・沈下
・コンクリート打込後に静置しておくと、コンクリートの上端面は徐々に沈下し、水の一部は空気、粉末を含んで浮上り、これをブリージングと言う。
・沈下、ブリージングにより上端の水平鉄筋に沿ってヒビ割れが生じたり、鉄筋下部に空隙を作って付着力を低下したりする。

(5)混和剤・混和材
・混和材料は、コンクリートの性質改良するため、目的に応じて入れる。

◆混和剤
・少量混入するもの。
・AE剤、減水剤、AE減水剤など。
・ワーカビリティー、耐久性が改善される。

①:AE剤
・コンクリートにAE剤を入れるとコンクリート中に無数の微細気泡が生じ、コンクリートのワーカビリティーを良くするための混和剤。

②:減水剤
・所定の流動性を得るのに必要な単位水量を減少させ、コンクリートのワーカビリティーを良くするための混和剤。

③:AE減水剤
・所定の流動性を得るのに必要な単位水量を減少させると共に、無数の微細気泡が生じ、コンクリートのワーカビリティーおよび耐久性を向上させるための混和剤。

◆混和材
・多く混入するもの。
・フライアッシュ、ポラゾンなど。

◆気泡によりコンクリートの効果
・気泡のボールベアリング作用により、ワーカビリティーが良くなる。
・単位水量を減少させることができ、一般には8%減少できる。
・コンクリートの凍結融解に対する抵抗性を増し、耐久性を向上させる。
・中性化に対する抵抗性を増大させる。
・空気量の増加により、強度が低下する。

【用語】
・ワーカビリティー・・・主にコンクリートの施工性を支配し、材料の分離を生じる事なく打込み、締固、仕上などの作業が容易にできる程度を表す。
・単位水量・・・打込直後のコンクリート1m3に含まれる水量で、骨材中の水量は含まれない。
・単位セメント量・・・打込直後のコンクリート1m3に含まれるセメントの質量。

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