■目指せ!建築士【建築構造】木材

木材の性質に関する事項。

【ZE-413】

●解説
▼木材の性質
(1)強度
①:一般に針葉樹よりも広葉樹の方が強度は大きい。
②:比重が大きいほど強度は大きく、重たい木材ほど強度は大きい。
③:繊維飽和点以下では、乾燥するほど強度は大きい。
④:繊維方向の方が繊維と直角方向より強度は大きい。
⑤:繊維と直角方向に加圧したときは、めり込が生じ、繊維方向の圧縮強さの1/5程度となる。
⑥:強度(繊維方向)の大小関係
  曲げ強度>圧縮強度>引張強度>せん断強度

◆木材に欠点があると強度低下する
①:節があると弱くなる。
②:割れがあると荷重により断面が分断される事がある。
③:腐れは著しく強度を低下させる。
④:変色、カビは強度にあまり影響はない。

◆比重と強さ
・空隙(くうげき)が少なく、実質部分の多い木材、比重の大きい木材は強度が大きい。
・心材が辺材よりも強度が大きいのは、心材の方が比重が大きいからである。

(2)熱〔燃焼〕
①:可燃性で260℃で着火し、400℃~500℃で口火(くちび)なしで発火するため、260℃は火災危険温度となる。
②:木材が燃えて炭化する深さは1分間に0.6mm程度で、木材が燃えたら炭化し、火に強くなる。
③:熱伝導率は小さく、熱が伝わりにくい。

(3)腐食
・木材は腐朽菌が原因で腐食する。
・菌類は適当な温度、水分、酸素、栄養分により繁殖し、これら1つでも欠ければ菌類は繁殖しない。
・水中に没している木材は酸素が不足するので腐朽しにくい。
・雨じまいを考慮し、適当な換気孔を設けて通風を良くし、乾燥をはかった建物は腐食しにくい。
・木材防腐剤は環境に配慮した表面処理用防腐剤とする。

◆蟻害
・やまとしろ蟻:マツ材などの針葉樹を侵す。
・ひらたきくい虫:ラワン材などの造作材、合板などを侵す。

◆腐朽
・腐朽菌は以下の条件を1つでも欠いたら生存できない。

①:温度・・・5℃~45℃
②:湿度・・・85%以上 木材含水率25%以上が必要となる。
③:酸素
④:養分・・・木材の耐腐朽性の比較 ⇒ ヒバ>ヒノキ>アカマツ>スギ

◆防腐措置
・クレオソート油などが、木材の防腐・防蟻剤として用いられ、防腐剤は木材への浸透性が大きいほど効果が高い。

(4)長所と短所
・重さ、強度、熱伝導率に関して木材とコンクリートを比較すると共に優劣がある。
・重さでは木材が0.4t/m3に対して、コンクリートは2.3t/m3と重い。
・強度比較すると、木材の長期許容圧縮応力度の種類にもよるが、無等級材であれば7N/mm2前後であるのに対し、コンクリートも7N/mm2と同じ強さであり、木材は軽量な割には強度が大きい事が分かる。
・熱伝導率では、木材が0.11W/m・kであるのに対し、コンクリートは1.4W/m・kと、木材の方が熱伝導率が小さく断熱的である事が分かる。

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