■目指せ!建築士【建築構造】木材
木材の組織に関する事項。
【ZE-412】
●解説
▼木材の組織
(1)年輪
①:春材/しゅんざい〔早材/そうざい〕
・春から夏にかけて成長した部分で、細胞が大きくて軟らかい。
・虫害を受けやすい。
・白色の方。
②:秋材/しゅうざい〔晩材/ばんざい〕
・夏の終わりから秋にかけて成長した部分で、細胞が小さくて硬い。
・茶色の方。
(2)心材・辺材
①:心材/しんざい
・樹心に近い部分で赤味を帯びており、赤身(あかみ)とも言う。
・細胞は活力を失っている。
②:辺材/へんざい
・心材の外周部分で白太(しらた)とも言う。
・細胞は生きているため樹液を多く含んでいる。
・心持ち材・・・心材が含まれている。
・心去り材・・・心材が含まれていない。
(3)含水率/がんすいりつ
・木材の含水率は、乾燥収縮による変形、強度に大きく影響するため、使用する木材の含水率は重要となる。
含水率=〔(W1-W2)/W2〕×100%
W1:含水率を求めようとする木材の重量で、水分を含んでいる木材。
W2:全乾重量(含水率=0)の重量で、水分を含んでいない木材。
・針葉樹の構造材=20%以下
・広葉樹の造作材=15%以下
・繊維飽和点以上では、含水率の変化による膨張、収縮はないが、これ以下の含水率では、含水率の変化に伴い膨張、収縮する。
・心材より辺材が変形しやすい。
・乾燥した木材の方が強い。
①:繊維飽和点/せんいほうわてん
・木材を乾燥すると、自由水が失われ、その後、結合水が失われ、全(絶)乾状態の含水率0%に達する。
・自由水が失われ、結合水が細胞内で飽和状態にある含水状態を繊維飽和点と言い、含水率は30%である。
②:気乾状態/きかんじょうたい
・空気中で乾燥すると、空気中の湿度と平衡状態になるまで乾燥する。
・含水状態を気乾状態と言い、含水率は15%である。
・含水率が繊維飽和点以上では、強さの変化はない。
・含水率が繊維飽和点30%以下では、含水率が減少するに従って強度は大きくなり、全(絶)乾状態で最大値を示す。
(4)乾燥収縮
・収縮度合
接線方向:5%~10%
半径方向:2%~5%
繊維方向:0.1%~0.3%
接線方向>半径方向>繊維方向
・強度は逆になる。
・木表側は木裏よりも伸縮割合が大きい。
・樹心に近い側が木裏で、反対側が木裏。
①:含水率と伸縮
・含水率40%以上の生木から乾燥しても、含水率30%の繊維飽和点までは収縮はほとんどなく、繊維飽和点以下では、ほぼ直線的に収縮していく。
・木材の伸縮量は、繊維方向が最も小さく0.1%~0.3%、次は半径方向で2%~5%、年輪の円周方向が最も大きく5%~10%である。
伸縮量:円周方向>半径方向>繊維方向
強度:円周方向<半径方向<繊維方向
②:乾燥収縮による変形・ヒビ割れ
・同じ板目幅方向でも木表側は木裏よりも伸縮割合が大きい。
・心持材は、辺材と心材の乾燥による収縮の差が大きいためヒビ割れが入りやすい。
・背割は、予め背の部分を割ってヒビ割れを吸収するようすること。
【用語】
・繊維飽和点・・・結合水が細胞内で飽和状態にある含水状態。
・飽和・・・最大限度まで満たされている状態。
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