■目指せ!建築士【建築構造】鉄骨構造
鉄骨造の各部設計に関する事項。
【ZE-354】
●解説
▼各部設計
(1)引張材
・引張材の安全を確かめるには、部材に生じる引張応力度(σt)が材料の許容引張応力度(ft)より小さい事を確かめる。
σt=(Nt/An)<=ft
σt:引張応力度〔N/mm2〕
Nt:引張力〔N〕
An:有効断面積〔mm2〕
ft:許容引張応力度〔N/mm2〕
◆有効断面積
・高力ボルトなどの穴などによって断面欠損される部分を差引た断面積。
・山形鋼などを片側のみに設けた場合は、突出脚の1/2を無効とした断面を有効断面積とする。
・偏心による曲げの影響を考慮して突出部の1/2をカットする。
(2)圧縮材
・引張材と同様に圧縮応力度〔σc〕が材料の許容圧縮応力度〔fc〕より小さい事を確かめる。
σc=(Nc/A)<=fc
σc:圧縮応力度〔N/mm2〕
Nc:圧縮力〔N〕
A:全断面積〔mm2〕
fc:許容圧縮応力度〔N/mm2〕
①:細長比〔λ〕が大きくなると座屈しやすい部材になるため、許容圧縮応力度〔fc〕は小さくなる。
②:圧縮材の細長比〔λ〕は250以下で、柱の場合は200以下。
③:局部座屈を起こさないように幅厚比は小さくする。
・ウェブの幅厚比=t1/h
・フランジの幅厚比=t2/B
(3)梁材
・梁に生じる応力は、曲げモーメントとせん断力である。
①:曲げモーメントに対する安全確認。
・曲げ応力度〔σb〕を求め、梁の横座屈を考慮して定めた許容曲げ応力度〔fb〕になるよう設計する。
σb=(M/Z)<=fb
σb:曲げ応力度〔N/mm2〕
M:曲げモーメント〔N・mm〕
Z:断面係数〔mm3〕
fb:許容曲げ応力度〔N/mm2〕
◆横座屈
・圧縮側のフランジが横面外に座屈し、曲げねじれを生じる座屈を言う。
・横座屈防止は、横補剛材(小梁など)を入れて支点間距離を短くする。
◆梁の局部座屈
・局部的に座屈現象を起こす事を言う。
・局部座屈防止は、幅厚比の小さい部材を用いる。
・梁材のたわみはスパンの1/300以下なので、曲げに対して安全な梁はたわみに対しても安全とは言えない。
【たわみ大】1/10>1/300>1/1000【たわみ小】
②:せん断力に対する安全確認
・最大せん断力に対して、せん断応力度〔γ〕を求め、材料の許容せん断応力度〔fs〕以下になるようにする。
γ=Qmax/(h×ti)<=fs
γ:せん断応力度〔N/mm2〕
Qmax:最大せん断力〔N〕
h:梁せい〔mm〕
ti:ウェブ厚さ〔mm〕
fs:許容せん断応力度〔N/mm2〕
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