■目指せ!建築士【建築構造】鉄骨構造

鉄骨造の梁に関する事項。

【ZE-353-1】

●解説
▼梁
(1)形鋼梁(かたこうばり)
・H形鋼など形鋼をそのまま梁に用いる。
・フランジは、曲げモーメントに抵抗する。
・ウェブは、せん断力に抵抗する。

(2)プレート梁
・鋼板と鋼板を溶接で組立たもの。
・カバープレートは、曲げモーメントに対する抵抗力を増すために用いる。
・スチフナーは、ウェブプレートの座屈止め。
・大きな梁せいができる。

(3)ラチス梁・トラス梁
・ラチス梁は、ウェブプレートの代わりに平鋼や丸鋼でトラス状に組立た梁。
・トラス梁は、ウェブプレートの代わりに山形鋼で斜材や垂直材をトラス状で組立た梁。

▼梁に加わる力
・梁には鉛直荷重によって曲げとせん断が加わる。
・応力は梁の各部で負担する。

◆形鋼梁・プレート梁
・曲げに対してフランジが抵抗する。
・せん断に対してウェブが抵抗する。

◆ラチス梁・トラス梁
・曲げに対してフランジが抵抗する。
・せん断に対してラチス材の軸方向力で抵抗する。

▼梁の断面

【梁の断面寸法の要素】
・座屈
・曲げモーメント
・せん断力
・たわみ

①:座屈
・部材は座屈を起こすと荷重を支えられなくなる。
・座屈は荷重が部材の許容耐力以上にならなくても生じる現象である。

◆横座屈防止
・過大な曲げモーメントを受けた際、曲げ耐力が弱い横方向にたわみ、ねじれる座屈。
・対策は、小梁などのつなぎ材を入れて、横方向の剛性を高める。

◆開断面と閉断面
・H形鋼やI形鋼の様な断面が外に開いている形の梁は、箱型断面の梁に比べて横座屈しやすい。

◆局部座屈(きょくぶざくつ)防止
・板材の厚さが薄いと部分的に波状に変形したり、梁ではウェブが膨れ出すような局部座屈が起こる。
・対策は、板厚を厚くして、ウェブの座屈防止のためスチフナーを設ける。
・局部座屈防止目的で定められる数値に幅厚比があり、幅厚比とは、ウェブとフランジの厚さや幅との比である。

幅厚比=幅〔B〕/厚さ〔t2〕

・幅厚比が大きい板厚が薄い、フランジ幅が大きいのは危険であり、幅厚比は決められた限度より小さくする。

②:曲げモーメント
・最大曲げ応力度σbが、許容曲げ応力度fb以下となる様に梁のせいや幅と部材厚を決める。

σb=(M/Z)<=fb

σb:曲げ応力度〔N/mm2〕
M:曲げモーメント〔N・mm〕
Z:断面係数〔mm3〕
fb:許容曲げ応力度〔N/mm2〕

・断面係数が大きいほど曲げに強い梁になる。
・フランジ、ウェブが厚い材でh、梁せいがあるほど許容曲げ応力度は大きくなる。
・断面係数は、断面の位置が材軸より離れているほど、また断面が大きいほど大きくなり、そのためH形鋼やI形鋼の梁はIの字で使う。

③:せん断力
・せん断応力度〔γ〕が、許容せん断応力度〔fs〕以下となる様にウェブプレートの断面積を決める。

γ=Qmax/(h×ti)<=fs

γ:せん断応力度〔N/mm2〕
Qmax:最大せん断力〔N〕
h:梁せい〔mm〕
ti:ウェブ厚さ〔mm〕
fs:許容せん断応力度〔N/mm2〕

④:たわみ
・たわみの量は、単純梁でスパンの1/300以下、片持梁でスパンの1/250以下とする。

【用語】
・ラチス材・・・ウェブ部に入れたウェブ材。
・横座屈・・・大きな曲げモーメントにより、始めは構面内だけで曲がっていたものが、突然、構面外にたわみ、ねじれる現象。
・許容曲げ応力度〔fb〕・・・材種ごとに一定値となり、設計上許せる最大の応力度。

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