■新たな住宅問題、在宅医療・在宅介護
在宅医療に在宅介護。
最近よく耳にする言葉です。
簡単に言うと病院などで入院して治療するのではなく、住みなれた我が家で病気を治していくといったところでしょうか。
確かに味気ない病室でいつ治るか分からないまま治療を受けるよりも、何の気兼ねもしない我が家の方が気分的にも楽に思えます。
気の知れた家族に囲まれての病気と向き合う。
老人の介護も同じ理由かと思われます。
とても理想的です。
ただ、本当にそのような快適に過ごせる空間や設備が整った住宅になっているでしょうか。
1フロア構造の住戸のマンションならマシですが、2階建てなどの戸建なら間取りによっては使い勝手に問題が出てきます。
どの部屋で治療や介護を受け、どこで食事をし、どのように移動し、どのようなトイレ・浴室・洗面所になっているのか。
普通の住宅なら病院や老人ホームのようにはいきません。
手摺や段差などを解消したバリアフリーは当たり前になってきていますが、もし、急な排尿・排便や嘔吐などでトイレに間に合わなかった場合は当然、室内は汚れます。
すぐに拭き取れる材質ならいいですが、絨毯などの素材なら必ずシミと臭いが残ります。
フローリングも溝やつなぎ目に入った場合は厄介です。
その都度、張り替える訳にもいきません。
また、ほとんど医療設備の整っていない住宅、そして素人同然の家族がきちんと病気の治療に対応できるのか。
その住宅設備や家族の構成によって違いがあるとは思いますが、設備や知識が無いまま適切に面倒を見れる家族は少ないと思います。
こうなると面倒を見られる患者の方も家族に気を使うと思います。
いっそうの事、病院で入院した方が楽なのではないかと。
ただ最近では、そうはいきません。
少子高齢化の真っ只中にある日本。
お金を納める若者層が少なく、医療や介護を受ける老人が増える一方です。
実入りが無いまま医療費や介護費が増え続けます。
だから病院側もお金がかかる入院を極力抑えようとし、退院させて在宅させ通院で治療を促します。
これには緊急用のベッドを開けておかなければならないと理由もあるでしょう。
しかし、患者は24時間、介護してほしかったり、具合が悪くなるか分かりません。
家族が家にいる時だけでなく、仕事に行っている時にそのような状態になる事もあります。
最近では年老いた親の介護のため、60代や50代の子供が仕事をやむなく辞める事もあるそうです。
俗に言う老老介護です。
在宅医療を受ける患者の容態が悪くなっても、素人の家族はどの程度悪いのか判断つかず、緊急性がないのに救急車を呼んだり、また、その逆で手遅れになる事もあるでしょう。
医療だけでなく、老人の介護も同じような状態でしょう。
在宅医療・在宅介護。
実際の現場では、精神的にも体力的にも経済的にも負担が大きく疲労している患者と家族が多い事でしょう。
高齢の親を持つ、もしくは病気が気になる年齢に差し掛かった、これらを踏まえた住宅を考える必要があるかもしれません。
ループデザインでは、在宅医療、在宅介護に適した間取りをご提案させていただいています。
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