■家族より優先される仕事など、この世に存在しない【その39】最終章

2021年7月29日の夜、認知症で約6年近く苦しんだ母親が旅立ちました。

2016年に父親が亡くなり、その後、独りで生活していた母親は、孤独の寂しさからか認知症が日に日に悪化していきました。

わりかし近くに住む姉と兄などが日替わりで面倒を見に行き、私も大阪から1ヶ月1回、2泊3日程度で母親と一緒に生活をしていました。

ただ、認知症の進行が早い母親を、ちょっとの時間でも独りにする事は無用心であり危険でもありました。

そのため介護施設に入所させた方がいいと判断した私は、周辺の介護施設に見学に行ったり、パンフレットを取り寄せたりしました。

ただ、介護施設に見学に行った際、認知症の入所者を見たとたん、自分の母親もこのような生活空間で人生を終えるのかと思った瞬間、何とも言えない空虚さと悲しさにさいなまれました。

しかし、母親をそのまま独りで生活させる訳にもいかず、そのことを姉と兄に伝えたところ、兄が母親を介護施設に入れるなら同居すると言ってくれたため、当面は兄の家族と同居する事ができました。

それが今から2年ほど前の事でした。

ただ、兄の母親想いとは裏腹に、母親の認知症は悪化の一途をたどり、家やショートステイ先で暴れたり、物を壊したりしたそうです。

その間、姉と兄との意見の食い違いから兄弟間でも険悪な関係にも陥りました。

認知症とは、母親だけを苦しめただけでなく、良好な関係だった子供まで苦しめる病気です。

私は正直、この2年間は『早く母親を迎えに来てほしい。』と、京都伏見の天女母神と天国の父親に毎日のようにお願いしていました。

人生100年時代とは言うものの、それは自分の頭と足で生活できる人が言えることで、全ての人に当てはまる言葉ではないと思っています。

そして、その日が来ました。

その日の母親は、ショートステイ先で心身共に安定していたそうで、晩ごはんを食べた後、車イスに乗って休んでいた母親はうなだれていることに介護者が気付いたそうです。

すでに心肺停止で、救急車で病院に運ばれ死亡が確認されたそうです。

誰にも気付かれず、そっと天国に向かった母親。

それを聞いたとき、天から京都伏見の天女母神が母親を迎えに来てくれたイメージが私の頭の中で湧きました。

そして天女母神は母親に対して『今まで御疲れ様でした。』と声を掛けていました。

母親は“きょとん”とした顔で天女母神に手を引かれ天国へと昇っていきました。

その2日後がお葬式。

私は、不思議と寂しさや悲しさはありませんでした。

たぶん、母親の最後のイメージがあったからでしょう。

母親と面会し、そして母親と最後のお別れをしたとき、ようやく母親の魂が本当の母親に戻れて良かったと心から想いました。

そして『今まで本当にありがとう。 最後は苦しかったけど、ようやく楽になれて良かったね。 天国でお父さんと仲良く生活できるから楽しみだね。』と、最後の言葉を語り掛けました。

人の生死に基準や標準などはなく、ましてや他人と比べるものでもありません。

父親の死、そして母親の死。

何も忌まわしいものではなく、2人の最後の顔を見たとき、これが幸せの人生を送ってきた人の顔だと実感しました。

自分もいつかはそちらに行くことになりますが、最後に感じたのが、天国という所は、そう易々と行けるものではないと知らしめました。

人生の中で、壮絶な苦しみや傷みに絶えた者だけが、天国の狭き門をくぐる事ができる。

父親、母親、そして最後に京都伏見の天女母神にそう語りかけらたような気がします。

そして以前、天女母神に教えてもらったこの言葉が胸に染みます。

『母親は子供を産む苦しみを知っているからこそ、命の重みを分かっている。』


生まれてくる時の母親の苦しみ、そして、その苦しみを味わう事で人生を終える事ができる。

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