■目指せ!建築士【建築構造】鉄筋コンクリート構造
コンクリートのヒビ割れと鉄筋の配筋事項に関する事項。
【ZE-342】
●解説
▼コンクリートのヒビ割れ
(1)曲げヒビ割れ
・柱、梁材軸に対して直角方向に生じるヒビ割れ。
(2)せん断ヒビ割れ
・柱、梁材軸に対して斜め方向に入るヒビ割れ。
(3)付着ヒビ割れ
・主筋やあばら筋、帯筋に沿って生じるヒビ割れ。
(4)収縮ヒビ割れ
・壁面では隅角部に生じる八字形のヒビ割れ。
・コンクリートの急激な乾燥収縮によって生じる。
・コンクリートは硬化時に水和熱を発し、部材内部と外周部に温度差が生じて収縮ヒビ割れが生じる。
・ダムなど大量にコンクリートを使用する所に多い。
▼鉄筋の配筋事項
(1)付着強度
①:付着強度を大きくする方法
・付着する面積を大きくし、鉄筋の周長を長くする。
・コンクリート強度を大きくする。
・コンクリートのかぶりを十分に取る。
・コンクリート打設時に締固を十分に行い、特に上端筋(うわばきん)の下廻りは、コンクリートの隙間ができやすい。
(2)鉄筋のあきとかぶり
①:鉄筋のあき
・鉄筋のあきは、鉄筋表面から隣接鉄筋表面までの間隔の事で、この間隔が狭いとコンクリート打込時に骨材の流れが悪くなり打設不良になる恐れがあり、付着強度も確保できなくなる。
・太い鉄筋ほどあきを大きくする。
・骨材の最大寸法が大きいほど、あきを大きくする。
〔骨材の最大寸法〕
・粗骨材最大寸法の1.25倍以上
・25mm以上
・鉄筋径の1.5倍以上
②:かぶり
・かぶりは、鉄筋を火災やサビから保護する以外に、付着強度を確保し、部材の耐久性を良くするために重要となる。
・かぶり厚は、部材により規定され、建築基準法施行令の第79条【鉄筋のかぶり厚さ】に記載。(P211)
〔かぶり厚〕
・一般の壁、床:2cm
・耐震壁(耐力壁)、柱、針:3cm
・土に接する部分:4cm
・基礎:6cm
(3)定着
・一体構造として造るため、梁などの鉄筋端部は、柱の中まで延長し埋込む。
・端部の鉄筋を他の部材まで延ばす事を定着という。
・定着長さは、鉄筋に加わる応力が大きければ長くする。
〔定着長さ〕
・普通コンクリートの場合、引張鉄筋は鉄筋径の40倍以上とする。
・普通コンクリートの場合、圧縮鉄筋は鉄筋径の25倍以上とする。
・コンクリート強度が大きいと、付着強度も大きいため、定着長さは短くなる。
・鉄筋強度が大きいと、大きな応力を負担するため、定着長さは長くなる。
(4)継手
・継手の位置は、応力の小さい箇所に設ける。
・継手方法は、重ね継手とガス圧縮継手がある。
・ガス圧縮継手は、加熱と加圧で一体になる。
・重ね継手は、重ねた鉄筋周囲のコンクリートにより継ぎ、付着拘束されて一体となる。
・コンクリート強度が大きければ、継手の重ね長さを短くできる。
〔継手重ね長さ〕
・普通コンクリートの場合、引張鉄筋の重ね長さは、鉄筋径の40倍以上とする。
・普通コンクリートの場合、圧縮鉄筋の重ね長さは、鉄筋径の25倍以上とする。
(5)フック
・フックは、鉄筋末端を折曲る事で、引抜抵抗を増すために行う加工。
・丸鋼を用いた鉄筋は、全ての端部に設ける。
・異形鉄筋は、一定部分の端部に設ける。
・フックは定着長さや重ね継手の長さに含まない。
〔異形鉄筋のフック〕
・煙突。
・帯筋、あばら筋。
・柱、梁の四隅(出隅)の主筋。
【用語】
・かぶり・・・部材表面から鉄筋表面までのコンクリートの厚さで、かぶり厚が小さいと、大きな応力を受けたときに、かぶり部分がヒビ割れして鉄筋が露出する。
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