■目指せ!建築士【建築構造】鉄筋コンクリート構造
鉄筋コンクリート造の構造計画上の注意点に関する事項。
【ZE-335】
●解説
▼構造計画上の注意点
①:剛心と重心
・地震力により建物がねじれを生じないよう、平面的に釣り合いよく耐震壁を配置する。
・剛心と重心ができるだけ一致するように計画する。
②:上下階の耐震壁
・上下階の耐震壁の量の差を少なくする。
・立面的に耐震壁を釣り合いよく配置する。
③:エキスパンションジョイント
・細長い建物やL形、T形などの平面形を持つ建物は、一体として振動しないので、エキスパンションジョイントを設けて別棟に分けて計画する。
④:曲げ破壊とせん断破壊
・建物が曲げ破壊する以前に、せん断破壊のようにもろい脆性破壊が起きないように計画する。
・変形能力が地震エネルギーを吸収できるように耐震設計する。
▼構造計画
・鉄筋コンクリート造は、木造や鉄骨造に比べ、重く、柔軟性が少ないため、地震時の水平力に耐えれるようにし、重い建物ほど大きな地震力(水平力)が働く。
①:剛性の小さい建物
・剛性の小さい建物とは柔らかい建物の事で、変形する事で水平荷重に抵抗する。
・鉄骨造のように、構造部材に粘りのある場合は安全。
・建物全体が水平力に抵抗するため、部分的な曲げ破壊があっても、建物自体は崩壊しにくい。
・変形は大きいと破壊し危険なため、ある程度の剛性を持たせる。
柔らかい建築物 ⇒ 変形能力大 ⇒ 地震力を受け流す ⇒ 崩壊しにくい ⇒ 安全
②:剛性の大きい建物
・剛性の大きい建物は、あまり変形しないため各部材に大きな力が加わる。
・壁式構造のように、各部材の耐力が大きく、剛性が均一なら安全。
・建物バランスが悪いと、部分的に大きなせん断力が働き崩壊する事があり、部材のせん断耐力を大きくする必要がある。
硬い建築物 ⇒ 変形能力小 ⇒ 地震力に耐える ⇒ 脆性破壊 ⇒ 危険
▼建物バランス
①:平面形状
・平面は単純な形が良い。
・長方形が組み合わさる形の場合は、各々構造的に切り離す。
②:立面形状
・立面は単純な形が良い。
・セットバックやピロティ等を設けた形状は、剛性の小さな階層に応力が集中し、その階層が危険となる。
【用語】
・エキスパンションジョイント・・・構造体を力学的に分離した接続部分。
・靭性(じんせい)破壊・・・曲げ破壊など粘りのある破壊で、急激な崩壊を避けられる。
・脆性(ぜいせい)破壊・・・せん断破壊のようにもろい破壊で危険があり、太く短い短柱はせん断破壊を生じやすい。
・弾性(だんせい)・・・荷重がなくなり次第、変位または変形が元に戻る性質。
・塑性(そせい)・・・荷重がなくなり次第、変位または変形が元に戻らない性質。
・短柱・・・垂壁や腰壁付きの柱は、内法寸法が短くなる。
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