■目指せ!建築士【建築構造】地盤
地盤に関する事項。
【ZE-234】
●解説
▼主な地盤調査の試験
・基礎の設計・施工に必要な資料を得るため、地盤構成、地盤支持力、沈下などを調査。
・ボーリング、サウンディング、標準貫入試験、平板載荷試験などがある。
◆サウンディング◆
・ロッドの先端に付けた抵抗体を地中に挿入し、貫入・回転・引抜などに対する抵抗か地盤の性状を調査する方法。
・ベーン試験(ベーンテスト)
・オランダ式二重管コーン貫入試験(ダッチコーン):軟弱な粘性土の調査に利点が多く、測定値の精度は標準貫入試験より高い。
・スウェーデン式貫入試験:ゆるい地盤を対象に住宅等の軽微な建築物の調査で使用。
▼地盤調査と許容応力度
(1)土質試験による地盤の許容応力度の決定
・許容応力度は、短期許容応力度の値は長期許容応力度の値の2倍。
①:長期許容応力度
・長い時間耐えれる数値。
qa=1/3(icαCNc+iγβγ1BNγ+iqγ2DfNq)
②:短期許容応力度
・短い時間だったら耐えれる数値。
qa=2/3(icαCNc+iγβγ1BNγ+iqγ2DfNq)
icαCNc:粘土地盤
iγβ1BNγ:砂質地盤
iqγ2DfNq:根入れ深さ
qa:地盤の許容応力度〔kN/m2〕。
ic、iγ、iq:基礎に作用する荷重の鉛直方向に対する傾斜角に応じて計算した値。
ic=iq=(1-〔θ/90〕)2
iγ=(1-〔θ/φ〕)2
θ:基礎に作用する荷重の鉛直方向に対する傾斜角。
φ:地盤の特性によって求めた内部摩擦角。
α、β:基礎荷重面の形状に応じた係数。
C:基礎荷重面下にある地盤の粘着力〔kN/m2〕。
B:基礎荷重面の短辺または短径〔m〕。
Nc、Nγ、Nq:地盤内部の摩擦角に応じた支持力係数、内部摩擦角φにより異なる値をとり、一般に内部摩擦角が大きくなるほど大きくなる。
γ1:基礎荷重面下にある地盤の単位体積重量または水中単位体積重量〔kN/m3〕。
γ2:基礎荷重面より上方にある地盤の平均単位体積重量または水中単位体積重量〔kN/m3〕。
Df:基礎に近接した最低地盤面から基礎荷重面までの深さ〔m〕。
(2)標準貫入試験
・直径5cm、長さ80cmの土質試料採取用のチューブを、高さ75cmから重さ63.5kgのハンマーで自由落下させ、30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定する。
・打撃回数をN値という。
①:砂質土
・N値から応力度が推定できる。
・N=10なら応力度は100kN/m2。
・同じ数値でも粘性土の方が強い。
②:粘性土
・N値から直接応力度は推定できない。
(3)平板載荷試験
・直径30cmの円形鋼板の載荷板に荷重を加え、この荷重の大きさと載荷板の沈下の関係から支持力特性を調べて試験する。
・載荷面より載荷幅の1.5倍~2倍の深さ程度以上では、試験の意味がない。
◆試験手順◆
①
・載荷板は直径30cmの円形とし、下面が平滑で厚さ25mm以上の鋼板とする。
②
・荷重は、計画最大荷重を8段階以上に、原則として等分割して載荷する。
・荷重の増減は速やかに一定速度で行う。
・荷重保持時間は30分程度の一定時間とする。
③
・最大荷重は、地盤の極限支持力、または、予想される長期設計支持力の少なくとも3倍とし、荷重と載荷板の沈下量との関係をグラフ(荷重度-沈下量曲線)に描く。
④
・地盤の極限応力度は、『荷重度-沈下量曲線』で沈下が急激に増大し始めるとき、もしくは載荷板や、その周辺地盤の状況が急激に変化し、載荷が難しくなり始めたときの単位面積あたりの荷重とする。
◆平板載荷試験による許容応力度の決め方◆
①:長期許容応力度
qa=qt+(1/3)γ2DfN’
(1/3)γ2DfN’:根入れ深さによる値。
②:短期許容応力度
qa=2qt+(1/3)γ2DfN’
(1/3)γ2DfN’:長期、短期とも同じ
qa:許容応力度〔kN/m2〕。
qt:極限応力度の1/3または降伏荷重度の1/2のうちの小さい方の値。
γ2:基礎底面より上方にある地盤の平均単位体積重量〔kN/m3〕。
Df:基礎に近接した最低地盤面から基礎底面までの深さ〔m〕。
N’:基礎荷重面より下方にある地盤の種類に応じて決まる係数で、密実な砂質地盤は12、砂質地盤は6、粘土質地盤では3になる。
(4)建築基準法による地盤の許容応力度
・建築基準法施行令第93条では、地盤の許容応力度は、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならないが、地盤状況が明確な場合は各数値による事ができる。
・地盤の許容応力度。
密実な砂質地盤>粘土質地盤
(5)支持力に影響を与える要素
・土の粘着力が大きくなれば、支持力も大きくなる。
・土の内部摩擦角が大きくなれば、支持力も大きくなる。
・土の単位体積重量が大きくなれば、支持力も大きくなる。
・根入れ深さが大きくなれば、支持力も大きくなる。
・基礎底面が長方形で、その最小値(B)が大きくなれば、支持力も大きくなる。
・円形、長方形、正方形など基礎底面の形状が変われば、支持力も大きく変わる。
・地下水位が高くなれば、支持力も小さくなる。
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