■目指せ!建築士【建築構造】断面の性質

断面一次モーメントに関する事項。

【ZE-171】

●解説
▼断面一次モーメント
・記号はS。
・単位はmm3。
・重心(図心)の位置を求める時に利用。

(1)断面一次モーメントの求め方
Sx=(b×d)[断面積]×(y0)〔mm3〕
Sy=(b×d)[断面積]×(x0)〔mm3〕

Sx:X軸に関する断面一次モーメント
Sy:Y軸に関する断面一次モーメント
b×d:断面積〔mm2〕
x0:Y軸から図心までの距離〔mm〕
y0:X軸から図心までの距離〔mm〕

(2)図心の求め方
・図心がわかる図形に分割して断面一次モーメントを求めてから、X軸から図心までの距離(y0)を求める。
Sx=A×y0
y0=Sx/A

Sy=A×x0
x0=Sy/A

A:断面積

S1x=(10〔mm〕×30〔mm〕)×15〔mm〕
=4500〔mm3〕

S2x=(10〔mm〕×20〔mm〕)×30〔mm〕
=6000〔mm3〕

Sx=S1x+S2x=4500〔mm3〕+6000〔mm3〕
=10500〔mm3〕

y0=Sx/A=10500〔mm3〕/(300〔mm2〕+200〔mm2〕)
=10500〔mm3〕/500〔mm2〕=21〔mm〕


・x0を求める場合。
S1y=(10〔mm〕×30〔mm〕)×35〔mm〕
=10500〔mm3〕

S2y=(10〔mm〕×20〔mm〕)×25〔mm〕
=5000〔mm3〕

Sy=S1y+S2y=10500〔mm3〕+5000〔mm3〕
=15500〔mm3〕

x0=Sy/A=15500〔mm3〕/(300〔mm2〕+200〔mm2〕)
=15500〔mm3〕/500〔mm2〕=31〔mm〕

▼L型断面
・X軸から図心までの距離y0を求める

①:断面を図心が分かる長方形にY軸方向に分離し、それぞれのX軸に関する断面一次モーメントをS1x、S2xにする。

②:S1x、S2xを求める。
S1x=20〔mm〕×60〔mm〕×30〔mm〕
=36000〔mm3〕

S2x=20〔mm〕×20〔mm〕×10〔mm〕
=4000〔mm3〕

③:元の断面のX軸に関する断面一次モーメントSxを求める。
Sx=S1x+S2x=36000〔mm3〕+4000〔mm3〕
=40000〔mm3〕

④:断面一次モーメントの公式にSxの値を代入してy0を求める。
Sx=断面積×y0
y0=Sx/断面積
y0=40000〔mm3〕/(1200〔mm3〕+400〔mm3〕)
=40000〔mm3〕/1600〔mm3〕
=25〔mm〕

⑤:x0を求める場合。
S1y=20〔mm〕×40〔mm〕×10〔mm〕
=6000〔mm3〕

S2y=20〔mm〕×40〔mm〕×20〔mm〕
=16000〔mm3〕

Sy=S1y+S2y=6000〔mm3〕+16000〔mm3〕
=22000〔mm3〕

Sy=断面積×x0
x0=Sy/断面積
x0=22000〔mm3〕/(800〔mm3〕+800〔mm3〕)
=22000〔mm3〕/1600〔mm3〕
=13.75〔mm〕

【用語】
・図心(ずしん)・・・図形の重心。
・座屈(ざくつ)・・・部材が力を受け、その力が増加していった時、ある時点で急に今までとは違った変形をする現象。

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