■目指せ!建築士【建築施工】外装工事【ZE-2161】
ALC工事に関する事項。
●解説
(1)ALCの特徴
・ALCは軽量コンクリート板の事で、セメントペーストに発泡剤を加えて多孔質化し高温高圧養生して製造する。
・コンクリートはアルカリ性で鉄筋を防錆処理する必要はないが、ALCは中性のため、補強鉄筋は防錆処理が必要。
・ALCは圧縮強度が3.0N/mm【2】(30.6kgf/cm【2】)以上で、素材の気乾比重が0.5~0.6と軽いが、衝撃に弱い。
・ALCはパネル状で幅は600mm、長さは1800mm~3600mmが多く用いられる。
・ALCの用途は、鉄骨造の壁、床、屋根などに使用され、壁に用いる場合、縦に並べたり、横に並べたりする事ができる。
・ALCパネルは、プレキャストパネルのため緻密な施工計画が必要。
・ALCパネルは、吸水性が大きく、雨が掛かる部分や接合部分の防水や防湿の処理が必要。
・ALCパネルは、工場からの運送車から施工場所に直接荷揚げするよう、積替えや複数の運搬は少なくする。
・ALCパネルの性質は、軽量、耐火性大、中性、吸水性大、透水性大、圧縮強度大。
(2)ALCパネルの施工
①:ALCパネルの切断や穴あけ
・外壁、屋根、床のパネルの切断は、原則、行わない。
・柱や梁の周囲における欠込や設備上の穴あけは許容範囲内にて行う。
・壁などの開口部を作るときも許容範囲を守る。
・ALCパネルの孔あけでは、鉄筋の切断をしないように、パネル1枚につき1ヶ所とし、その直径は、床、屋根の各パネルにつき50mm以下とし、外壁パネルについてはパネル幅の1/6以下とする。
②:防錆処理
・ALCパネルを加工するとき、露出した鉄筋などは、サビ止め塗料を施した防錆処理をする。
③:取付金物
・ALCパネルの取付金物は、サビ止め塗料を施す、または亜鉛メッキで防錆処理を施す。
・釘を使う場合、釘の材質は耐食アルミニウム合金製とステンレス製のどちらかにする。
(3)ALCパネル取付構法
①:ロッキング構法
・ALCパネルの上部、下部に内設したアンカーにより、パネルが回転可能なピン支持とする構法。
・ALCパネルの質量は、パネル下中央部に位置する受プレートにより支持され、縦壁パネルの取付に使用し、層間変位の追従性に優れる。
②:スライド構法
・ALCのパネルとパネルの間の縦目地空洞部には、上部は定規アングルに引っ掛かる金物を取付、下部は目地鉄筋を挿入する。
・空洞部にモルタルを充填する事により、上部は内側方向に可動できるように下部は固定して取付け、縦壁パネルの取付に使用する。
(4)ボルト止め構法
・ALCパネルをボルトにより取付る方法で、パネルの長辺方向の両端に座堀孔を設け、そこにボルトを貫通させて取付る方法、特に横壁パネルでの取付に使用する。
【用語】
・ALCパネル取付金物・・・パネルを施工するのに先立ち、支持材に溶接などにより固定する金物。
・層間変位・・・地震、風邪などの水平力により、多層構造物が変形するとき、ある層の床と、直上または直下の層の床との間の水平方向の相対変化。
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