■不動産のプロをも欺き騙す地面師【その2】
では、S住宅がどの様に騙され大金を奪われたのか時系列で見てみましょう。
◆物件概要◆
【所在地】東京都品川区西五反田
【土地面積】2000㎡(605坪)
【物件形態】古家付き土地(旅館跡地)
【売買価格】70億円(1157万円/坪)
※新築マンションを建設し総戸数200戸として、平均価格帯7000万円とすれば売上高140億円規模。
▼2017年
〔3月〕
S住宅の担当者が不動産仲介業者から土地売買話しを持ち掛けられる。
〔4月〕
S住宅の役員等が現地視察と決済を経た後、土地の偽所有者らと対面して売買契約を締結して購入代金の一部を支払い、仮登記が完了。
S住宅は70億円(1157万円/坪)で土地購入し、数百戸規模の分譲マンションを計画する。
取引時に偽所有者の女性は土地権利書のカラーコピーを見せるが原本は見せず、土地所有者の住所や誕生日も間違えていた。
〔5月〕
土地所有者から売買契約の実体は無く、他人物売買により不動産取引は無効との内容証明郵便が何通もS住宅に送付されたが、S住宅は怪文書として対応はしなかった。
〔6月〕
S住宅は購入代金残金の49億円を支払い、担当者が土地の敷地内に入ったところ、土地所有者から警察に連絡され不法侵入として任意同行を求められたが、それでも土地取引妨害と判断する。
その後、S住宅に法務局から登記申請を却下する通知が届き、ようやく偽所有者などによる詐欺行為と気付く。
〔8月〕
S住宅は土地取引事故により詐欺を被った事を公表。
▼2018年
〔1月〕
S住宅は責任追及により会長を解任。
〔2月〕
S住宅の新会長と新社長が就任。
〔10月〕
S住宅から55億円を騙し取ったとして偽所有者などが逮捕される。
容疑は偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂など。
地面師は土地所有者に無断で所有権を移転登記をしようとし、法務局に偽造した委任状を提出。
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